冊子のサイズ一覧と選び方を解説!漫画や単行本の大きさは?
しまうま出版デザイナーより
「本のサイズ」も、イメージを伝える大切なデザイン要素のひとつ。
ぜひ、ご自身の作品のイメージにぴったりのサイズを見つけてください!
わかります。けれど、作品や作風によってはサイズが大きすぎることで逆に作品の魅力が伝わりづらくなってしまうこともあります。サイズ選びひとつとっても、冊子を作るのは難しいですよね。
小さいものはリーズナブルですが、細々して見ずらい印象もありますし。どのサイズでつくるべきか迷ってしまいますね…。
そうですね。では、一緒に冊子を作成する際のサイズ選びについて考えてみましょう!
冊子のサイズの定番
本のサイズは、一般的にB5サイズやA5サイズがよく見かけるサイズです。その他にも、本の内容によって文庫サイズやA4サイズなども多いです。
冊子のサイズそれぞれの特徴
A4サイズ(210mm×297mm)
もっとも大きなサイズ。大迫力のページに仕上がります。しかし大きいため、持ち運び中に曲がったりしないか等、保管を気をつける必要があります。
例)写真集、イラスト集、絵本
B5サイズ(182mm×257mm)
A4よりも少し小さめ。大学ノートなどはこのサイズです。こちらでも十分大迫力なうえ、A4サイズよりも持ち運びや保管がしやすいです。同人誌イベントでもよくみかけるサイズ。
例)写真集、イラスト集、絵本
A5サイズ(148mm×210mm)
A4の半分の大きさ。手帳などでもよく利用されるサイズです。同人誌のイベントでも主流で、漫画作品で特に利用されます。
例)漫画、小説、オリジナル手帳
文庫(A6)サイズ(105mm×148mm)
もっとも小さなサイズで「A6サイズ」のことです。印刷会社ではA6サイズのことを文庫サイズと呼ぶのが主流となってます。
小説などの文字だけの作品にオススメです。
例)小説、オリジナル手帳
冊子サイズの規格に関する基礎知識
A判
B判
A4、B5、A3...聞いたことはありますが、パッとサイズ感がイメージしづらいです。A4とB5、どちらが大きかったかな...?と迷うこともあります。
本やコピー用紙では一般的にはA判・B判という2つのサイズ系統でよくあります。A3・A4・A5...と数字が1つ大きくなると、半分のサイズになります。同じ数字だとB判の方が大きくなります。
一般的な冊子のサイズとその適応範囲
A4サイズとその使用例
A4サイズは印刷物の制作に際して最も一般的に利用されるサイズです。その普遍性と利便性が人気の理由となり、様々な冊子印刷物に利用されています。
具体的には、企業の年報、製品のカタログ、学術誌など、画像と文章を合わせて詳細な情報を伝える必要のあるコンテンツに適しています。また、A4サイズは一般的なサイズとなっているため、印刷会社での取り扱いが容易で、印刷・製本のコスト面から見ても予想外に高く付くといったことが起こりにくいです。さらにA4サイズの冊子は、持ち運びや保管に際して、様々なグッズが販売されているため、特殊なものを購入しなくても良いというメリットもあります。このように、A4サイズは多様な用途に対応可能であり、その他のサイズと比較してもその使用範囲の広さが際立っています。
B5サイズとその使用例
B5サイズは、その取扱いやすさと持ち運びの利便性から、印刷物としての多面的な役割を果たしています。幅広い分野で活用されていますが、特に教育関連の世界では、ノートや教科書、学習参考書として頻繁に使用されます。さらに、イラストの同人誌や自費出版の文芸作品、例えば小説や詩集、エッセイなどにも適しており、綴じ方次第で一冊の本としての質感を高めることも可能です。B5サイズは、A4サイズよりも一回り小さな形状で、情報量が多い内容も一覧性良く表現することが可能です。これにより、読者の理解を深める役割も担っています。その汎用性と機能性から、B5サイズは多くのシーンで重宝され、その効果を最大限に引き出しています。
A5サイズとその使用例
A5サイズは、148mm×210mmというコンパクトながら、書き込みなどを行うことを考えても十分な情報量を盛り込むことが可能なハンディサイズです。その便利さから、印刷物の中でも小説や手帳などの冊子に頻繁に使用されます。このA5サイズの最大の特徴は、その手頃な大きさが持ち運びに適している点にあります。A4サイズを半分にしたサイズで、バッグにすっきりと収まりますので、手帳などに使用されることが多く、それなりに書き込みを行いたいビジネスパーソンにとってもちょうど良いサイズとなっています。また、手に取りやすいサイズ感なので、小説などの作品を手軽に持ち運ぶことができ、読了率の向上にも繋がります。このように、A5サイズはその手頃なサイズ感や使い勝手の良さから、様々なシーンで活用されています。
冊子の綴じ方の選び方
中綴じ冊子
中綴じ冊子は印刷物の一種で、その最大の特徴として綴じやすさが挙げられます。中綴じの作り方は、簡単に言ってしまえば冊子の中央を折り畳み、ホッチキスで固定するだけです。この手軽さから冊子を自作する際にもよく利用される綴じ方法と言えます。また、中綴じ冊子は一般的なA4やB5といったサイズはもちろん、定形外のサイズにも対応しやすいため様々な縦横比率の冊子作成が可能です。簡易的な手法であるため、初心者でも取り組みやすく、自宅でも180°開いて利用可能なホッチキスさえあればなんとか形にすることが可能です。ノド部分も他の製本方法と比べて開きやすいため、冊子のレイアウトなどが不慣れな方をはじめとして失敗が少ないことも特徴と言えるかもしれません。こうした簡便さから、趣味の冊子の自作や学校、ビジネスなど、様々な場面で中綴じ冊子は活用されています。
無線綴じ冊子
無線綴じ冊子は、最終的な冊子の背に糸やホッチキスの針のような「線」が出ない製本方法の一つで、その美しい見た目と機能性が特徴です。くるむように製本することから、別名くるみ製本などと呼ばれたりもします。綴じ線が見えないことで、表1から背表紙、表4に至るまでデザインした際にデザインが切れることなくきれいに表現できるのも嬉しいポイントです。耐久性も抜群で、接着剤によってページがしっかりと固定されるため、繰り返し開閉することによるページの抜け落ちを防ぎます。
一方で、接着剤で背を固めるため、若干ノド部分が開きにくくなることが欠点として挙げられますが、無線綴じの一種であるPUR製本などを活用すれば開きやすさも確保することが可能です。PUR製本であれば、通常の無線綴じが苦手とするデザインが見開き中央にまたがったり、大きなイラストや写真を使用したりする場合も、ある程度ノドが開きますので見やすくなります。また、中綴じ冊子やリング製本と比較すると製本コストはどうしても高めになってしまいますが、そのクオリティの高さと機能性はそのコスト以上の価値があります。
綴じなし冊子
綴じなし冊子、つまり綴じられていない冊子は、多数の利点を持っています。その一つが、印刷・製本にかかるコストを大幅に削減することができることです。大量の印刷物が必要な時に、綴じなし冊子はそのコストパフォーマンスの良さから一つの選択肢として考えても良いかもしれません。また、綴じない形式なので、冊子のページを自由に追加や削除が可能です。これは、頻繁に情報の更新が必要な冊子や、内容が常に変更される冊子にとって、大きなメリットとなります。さらに、綴じなし冊子は、開いた時に中央部分が見えにくいという問題を解消します。これは、デザインやレイアウトが重視される冊子、特にビジュアルに重きを置く冊子にとってはポジティブに捉えることができます。
一方で綴じていないので、当然ながら読んでいる最中や運搬時にページがバラけてしまうリスクは非常に高いです。基本的にはせいぜい2〜3枚の用紙を用いたパンフレット程度で利用する事を考えておいたほうが良いでしょう。
サイズ選びもデザインのひとつ
サイズ感はわかりました!では、写真集を作りたいので ...A4サイズかB5サイズにしますね。
写真集を作るのですね!
確かにA4やB4サイズは大きくて、存在感を発揮します。迫力があり、壮大な風景写真などにもぴったりです。一方、小さいサイズはコンパクトでかわいらしいイメージ。レイアウト次第でSNSっぽい雰囲気を出すことができます。
なるほど...オシャレなカフェ写真を撮りためているので、それなら小さいサイズが雰囲気に合いそうです!
本のサイズも、デザイン要素のひとつ。
これまで紹介した特徴は、あくまで一般的なものです。同じ被写体・内容でも、本のサイズによってイメージがガラッと変わります。出したい雰囲気に合わせて、選んでみてください!
しまうま出版は、5つのサイズラインナップ
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A6
105㎜×148㎜
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A5スクエア
148㎜×148㎜
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A5
148㎜×210㎜
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B5
182㎜×257㎜
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A4
210㎜×297㎜
しまうま出版ではA6サイズからA4サイズまで5つのサイズをご用意しています。
記事内であまり紹介できなかったA6サイズは手のひらに収まるくらいのコンパクトサイズ。プチ写真集や、かわいいイラスト集、文庫本をイメージした冊子におすすめです。
また、個性的な正方形のA5スクエアも人気です。正方形なのでSNSにアップするような写真との相性もバッチリ!1冊から簡単に冊子を作成できるので、作品にぴったりのサイズをみつけて自分だけの1冊を作ってみてくださいね。
自分の作品をまとめた冊子を作ろうと思うのですが、冊子のサイズって小さいほど印刷費用が安くなりますよね。なので、まずはなんとなく1番小さいもので...でも一生懸命つくった作品の本だから、読者の方には大きなサイズで見てもらいたい気持ちもあります。