塗り足し・断裁ズレを知ってトラブルを避けよう
しまうま出版デザイナーより
本をつくる工程(印刷時、製本時、断裁時)の中で、どうしても作ったデータとのズレが生じます。
生産時のトラブルを最小限に抑えるため「塗り足し・断裁ズレ」についてお話します。
そうですね...もしかしたら塗り足しが足りなかったり、製本時に断裁ズレが発生したのかもしれないですね。
手元のデータだけでは製本時のイメージがしずらいので、作成時のコツがあればぜひ教えてください!
はい!データ作成時の注意点をご案内します!
本ができあがる工程
本の出来上がる工程は大きく、3ステップです。
塗り足しについて
ステップ3にあるように、本の隅は断裁されます。なので断裁される前提でのデータ作りが必要です。これを「塗り足し」といいます。
一般的に印刷会社では「塗り足し」を上下左右3mm作るようにと指示されます。この「塗り足し」内、または断裁ライン(仕上がり線)の数ミリ内側か外側にズレた箇所で本が断裁されます。
ここで注意しなければならないのは、文字など絶対に切れてほしくない部分がある場合は、「塗り足し」ギリギリに文字を置かないこと。少し離れた箇所に文字等を置くように工夫しましょう。
文字の配置は余裕をもって
文字が断裁されてしまいます
製本時のズレについて
本をつくる工程の中では、どうしても「ズレ」というものが数ミリ発生してしまいます。
特に一番発生しやすいのが「断裁ズレ」です。
ズレが発生しても、ある程度許容できるよう、データ作成時の注意が必要です。
塗り足しが足りなかったから、ズレによって切れてしまっていたのですね。
そうですね。もちろん、製本時には細心の注意をもって作業を行っていますが、どうしても多少のズレは発生してしまいます。気温や湿度に影響されることもあります。
製本って繊細な作業なのですね。
しまうま出版では、編集画面に工夫をしたり、ガイドが入ったテンプレートをご用意しています。
しまうま出版での編集時のポイント
塗り足しの端まで画像を入れる
塗り足しが足りないと、余白が入ってしまう場合があります。塗り足し部分が全部埋まるように配置。
文字をギリギリに配置しない
文字や切れてはいけない要素(人の顔など)は、画像端やノド部分(見開きの中央部分)を避けて配置。
テンプレートご利用の際は注意書きをチェック
テンプレートとあわせ、ご利用方法をPDFで提供しています。作業前に確認しましょう。
ガイドから余裕をもって
表紙・巻きカバーのテンプレートには折り位置のガイドが入っています。こちらも余裕をもって配置しましょう。
ありがとうございました!データ作成時には気をつけます!
しまうま出版では、製本時のイメージがしやすいよう編集画面を工夫しています。ただ、どうしても製本時のズレは発生する場合がありますので、今回の記事を参考にデータ作成時の注意も忘れずにお願いします。
困りました...本のページデータを時間かけて作ったのに、 印刷所で製本されたものを見ると思ったより切れていたり余白が入っていたり...データの作りが良くなかったのでしょうか。