同人誌とは?主な種類や販売方法について紹介
しまうま出版デザイナーより
同人誌とは自分の「好き」を一冊にまとめたもの。その歴史は古く、多種多様なコンテンツのものが存在します。この記事では同人誌を作る際には、注意すべき著作権の問題や作った作品を多くの人に見てもらうための方法をご紹介します。
いいですね!SNSがない頃は、同人誌即売会等でしか同じ趣味の人とお話しできる機会がなかったので、楽しい時代になりましたね!
他の方の作品もぜひ手にとってみたいので、同人誌即売会は行ってみたいのですが、まだ未経験で...。自分の作品も本にするのもなかなかハードルが高い気がしていて。
では一緒に「同人誌」とは何か一緒に学びましょう!同人誌の歴史は意外にも古く、昔から自身の作品を広めるツールとして使われてきたことなどを知ると面白いですよ。
これからはSNSにアップするだけでなく、紙の本で1冊の「同人誌」にする感動、ぜひご自身でも体験してください!
同人誌とは自分の「好き」を一冊にまとめたもの
同人誌とは、一般的にはアマチュアがオリジナルの作品や既存の作品を基にした二次創作を行い、それを印刷・製本したものを指します。
「同人誌」と言うと何となく漫画やイラストをイメージされる方が多いと思いますが、元々は同じ趣味や考え方をもっている人同士の間で、自ら資金を出して作成する本全般を指す言葉ですので、漫画やイラストに限定されるものではありません。
もっと簡単に言うと、同人誌とは自分の「好き」を一冊にまとめたもの。
その歴史は古く、多種多様な内容のものが存在します。一般的な書店で多く目にする商業誌とは違って、自分自身のアイデアを比較的自由に表現して出版できるのも魅力の一つです。自分の「好き」をカタチにして、その感動をぜひ体感してください!
ここからは同人誌の歴史や大まかな種類、自分で作成したり販売する際の注意点などを紹介します。
意外と長い同人誌の歴史
現在の同人誌はアニメのイラストや漫画などのコンテンツを冊子にするイメージが一般的ですが、実はその起源は明治時代にまでさかのぼるとされています。
同人誌としての自費出版の始まりは、1885年に発刊された『我楽多文庫』という尾崎紅葉や山田美妙らが発刊した文芸誌といわれており、小説や詩、短歌などが掲載されていました。その他にも夏目漱石が参加した『ホトトギス』、太宰治が参加した『青い花』など、名だたる文豪が集まり同人誌を作っていました。このように同人誌は現在の漫画やアニメといったイメージとは異なり、初期には文芸の領域から始まっています。
なお、この頃までは一次創作が主流となっていましたが、科学技術の進歩・普及や漫画雑誌やアニメなどのコンテンツの普及により、小説や詩だけでなく漫画形式の同人誌も多くなります。このようにして、段々と「同人誌」と聞いて現在一般的にイメージされるような二次創作がコンテンツの主流となってきたという歴史があります。
また、流通面から見ても、初期は限られたコミュニティ内で共有されるものでしたが、その後の印刷技術の進歩やインターネットなどの情報通信技術の普及に伴って広がりを見せ、現在では海外にも日本の同人誌文化が届いています。同人誌即売会などのイベントに足を運んでみると、海外からの来場者も多く、日本のカルチャーとして広く認知されていることが伺えます。
漫画だけ?同人誌の種類とは
そもそも同人誌とは、漫画、小説、写真集など内容に関係なく、個人やグループが趣味で作ったもの全てに当てはまります。出版社が出版していたり、仕事として書いたのものではない場合は同人誌と呼んで差し支えないでしょう。その上で同人誌の種類はその内容によって「一次創作」と「二次創作」との大きく2つに分けることができます。それぞれどういったものか見てみましょう。
一次創作とは
一次創作とは、原作を持たないオリジナルの作品や作品づくりのことを指していいます。
漫画、小説、写真などジャンルを問わず、製作者のオリジナル作品であれば全て一次創作となり、後述する二次創作と対比する表現として使用されることが多いです。一般的な書店などで販売されている漫画雑誌や文芸雑誌、単行本の作品などは、すべてではありませんが一次創作である場合が多いです。
二次創作とは
二次創作とは、一次創作(原作)から派生して作られた作品や作品づくりのことをいいます。
原作漫画やアニメのキャラクターや設定、イメージなどを制作者なりに再解釈して作成された作品などのことで、基本的には原作者以外の人が制作を行うものを指して言います。現在流通する多くの同人誌では、こちらに分類されるコンテンツがメジャーとなっています。もちろんこれはあくまで全体としての話であって、同人誌であっても一次創作(オリジナル)の作品を制作されている方は多くいらっしゃいます。
二次創作で作品を作るときの注意点
現在では同人誌のコンテンツは二次創作(既存のアニメや漫画作品をもとにして作ること)が主流となっています。すでにあるコンテンツをもとに世界観を作ることができるので、設定なども含めてすべてをイチから考えるよりも気軽にはじめやすい点や、オリジナル作品のキャラクターのファン同士で仲間ができやすい点から、とても人気のあるコンテンツとなっています。
しかし、この二次創作の同人誌で気を付けなければならないことが、大きく2つあります。
権利問題に注意しよう
アニメ、漫画、映画など、それぞれの作品や原作者、権利を所有する会社ごとに二次創作に関連する権利については考え方が異なります。
例えば、作品によっては「SNSへのファンアート投稿はOKだが、同人誌として販売する行為はNG」という場合があります。たとえ自費出版の同人誌販売が赤字でまったく利益がでていなくても、その作品をもとにしたもので金銭のやり取りを行うことを良しとしない場合がこれにあたります。
他には、同人誌として販売することも含めてコンテンツの二次創作を許可をしているものの、厳しくガイドラインが定められている作品もありますし、黙認という姿勢で二次創作による著しい被害がないのであれば、問題視しないようにしている場合などもあり、その考え方や対応は様々です。
二次創作の作品を公開したり、販売・頒布する場合は、冊子の形を取るか否かによらず、権利者側が示しているガイドラインや意向について最新の情報をキャッチして、トラブルにならないように十分に注意しましょう。基本的には原作作品のイメージを毀損するような表現は避けたほうが無難です。
営利目的にならないようにしよう
上記でも軽く触れましたが、二次創作の同人誌については、原作者などが明確に態度を表明していなくても権利上の問題でグレーゾーンとなっている場合が多々あります。販売時の価格設定では、あくまでも趣味の範疇として営利目的とならないような設定をすることが一般的なマナーです。
同人誌を販売する際に値段をどうすればよいか悩む際には、作成にかかった費用や周りの人たちがどの程度の料金設定をしているかをチェックしてみて決めることをおすすめします。
簡単にまとめると、特に二次創作を扱う際には、権利関係やマナーには十分注意しながら制作・販売・頒布を行う必要があります。二次創作では版権元の意向やガイドラインに沿った制作が必要ですし、特に自分が好きなコンテンツであればこそ、原作に対するリスペクトを忘れないようにする必要があるでしょう。また、冊子を作成するにあたって印刷会社を利用する際にも各印刷会社の利用規約やコンテンツポリシーに違反していないかチェックをすることが必要です。場合によっては印刷を受け付けてもらえなかったりする場合もあるので、しっかり確認しましょう。
作った冊子を多くの人に見てもらう方法は?
自慢の一冊が完成したら、より多くの人に見てもらって感動を共有したいもの。同人誌の場合、自身の作ったものを販売することで多くの人に手にとって見てもらうのが主流になり、販売方法には大きく分けて3つの手段があります。
同人誌即売会に参加する
1つめは同人誌即売会への参加を通じて販売する方法です。
同人誌即売会とは、コミックマーケットやコミックシティ、コミティアといったイベントで、数多くの同人誌が売買されています。これらのイベントには、コミックと名がついていますが、漫画だけでなく幅広いジャンルが扱われるようになってきています。例に挙げたものは大規模なイベントですが、特定の作品やキャラクターに特化したイベントや、漫画のみ・小説のみなど表現形式を定めたものなど、その規模や趣旨は多岐にわたるため、興味のあるイベントを探してみるのも楽しいかもしれません。
また、参加と言っても、同人誌を販売する側は「サークル参加」、買う側は「一般参加」と言われることが多く、販売を目的としているので、ここで言う参加はサークル参加となります。
即売会の楽しみはなんといっても自分の本を買ってくれる人へ直接手渡ししたり、普段はSNS上でしか関わりのない方とお話できること。そして同じ作品やキャラクターの同人誌を描いている人たちに会えることです。他の作家さんの作品を見て刺激を受けることもできますし、トレンド感なども掴むことができるので、次の創作アイデアを得たり、モチベーションに繋がったりしやすいのも即売会に参加するメリットです。
同人誌専門書店や通販サイトで販売する
2つめは同人誌を専門書店や通販サイトで販売する方法です。
同人誌即売会が実施される地域が遠く、足を運べない方などにオススメで、販売方式や手数料の異なる様々なサービスがあるので、自分に合ったものを選びましょう。地理的な制約は少なくなる一方で、人気の作家にならなければ発見してもらえる機会は即売会と比べてどうしても低くなってしまいます。SNSなどで新刊情報などを積極的にアピールしたり、こまめに4コマ漫画や比較的かんたんなイラスト、ショートストーリーをアップするなどして、自身の作品への興味を引いたり、ファンを増やす努力が必要になります。
自家通販で販売する
3つめは自家通販を行う方法です。
聞き慣れない方もいらっしゃるかもしれませんが、自家通販とは上記のような販売サイトを利用せず受注から発送までをすべて自分で実施する販売方法です。自分で受注を受け、在庫数を管理したり発送作業を行ったりするため、販売する冊数が多くなるとかなりの手間がかかってしまいます。
一方で、他の方法では難しいラッピングやお手紙などで感謝の気持ちを伝える事ができるなどより深いコミュニケーションが可能ですので、顔なじみの間で少部数をやり取りするだけであればオススメです。通販サイトの利用と比較して、手数料が安く済むのもメリットです。
1冊から本を作ってみたいあなたに「しまうま出版」
ここまで同人誌とはどんなものか、どのような楽しみがあるかなどを紹介してきましたが、実際に本を作ろうとすると複雑な入稿知識なども必要となりなかなか骨が折れるという方も多いはず。また、機械を使って売り物のような本を作ろうと思うと、生産の都合で100部からしか注文ができないといったような状況がありました。
この課題に対して、しまうまプリントは「クリエイターの想いを形にするお手伝いをしたい!」と考え、オンデマンドの冊子生産を最先端の自動化設備で実現。しまうま出版のサービスを作り、簡単な編集操作で1冊から自分のスキを形にすることができるようにしました。
自分のための1冊から、誰かに渡す数十冊まで、お手頃な価格で作成できる「しまうま出版」をぜひご利用ください。
まさに同人誌の数だけ種類や楽しみ方があるのですね。自分の作品集を作るのも楽しみになってきました。まずは一冊作ってみたいと思います!
自分の「好き」を共有できる相手がいるって素敵な事ですよね。
ただし、同人誌作成には守らなければいけないルールやマナーがありますので、きちんと守った上で「本」を通じたコミュニケーションを楽しんでください!
実はとある漫画作品にハマっているんです。その作品が好きすぎて自分で考えたイラストを描き始めました。SNSにアップすると、感想もらえたり同じ趣味の方々と語り合えるきっかけになって、楽しいです!