台割とは?具体的な作り方と便利なツールを紹介
しまうま出版デザイナーより
「台割ってなに?作り方がわからない。」冊子の制作をする方は、このようなお悩みを抱えているのではないでしょうか。台割は冊子の制作に不可欠なものです。
今回は、台割の目的や作り方を解説します。台割をうまく活用すれば、冊子をミスなく効率よく制作できます。便利なツールも紹介するので、ぜひ参考にしてください。
ページ数が多くなると、全体の構成を考えるのも大変になりますよね。
そういう時はまず「台割」を作ってみてはいかがでしょうか。台割というのは、言ってみれば冊子の「設計図」のことです。先に「台割」で全体の構成を作成しておくことでその後の作業がスムーズに進みますよ!
「台割」...初めて聞きました!ぜひ教えてください!
台割とは
台割(だいわり)とは、「各ページをどんな内容にするのか」「全体で何ページ必要なのか」といった全体の構成を把握して設計することです。冊子の制作では、最初に全体像を確認しないと効率よく制作できません。冊子全体の流れやイメージを把握して作業内容を明確にするために、台割は欠かせないのです。
台割の目的
台割には、主に以下のような目的があります。
- 冊子の構成や全体のバランスを把握する
- 総ページ数を確認する
- 作業の進捗を管理・共有する
- 各ページの情報を整理する
冊子制作の初期段階で台割を作成すると、全体のバランスがわかり「この内容が足りないかもしれない」など、構成の過不足に気づけます。
また、総ページ数の把握も重要なポイント。冊子の総ページ数は基本的に、4の倍数か8の倍数にします。特に中綴じは4の倍数以外では作れないので、台割の時点でページ数の調整が必要です。
途中からページ数を変更すると、全体の構成を考え直したり、メモページを入れたりするといった調整が入る場合もあります。制作時に混乱しないためにも、台割の段階で全体像を把握することが大切です。
冊子が8ページ以上なら台割を作ろう
冊子の製作はページが増えるほどに全体の把握が難しくなるので、8ページ以上なら台割を作成しましょう。
特に以下の場合、台割で全体を俯瞰するのがおすすめです。
- 写真やイラストが多い
- カラーページとモノクロページの切り替わりがある
- 制作や印刷などに関わる人数が多い
また、撮影や原稿作成、印刷など複数人が関わる場合には、台割を使って情報を共有しつつ認識を合わせることが重要です。もちろん、一人で冊子を制作する際も台割は欠かせません。冊子の全体像を可視化することで内容の抜け漏れやミスを防げるからです。
台割の作成には手間がかかりますが、ミスのない冊子製作のために必要な工程と言えます。
台割の役割は分かりました。先に全体が見えると作業がしやすくなりますね!
本の作成前のひと手間で、このあとの作業が明確化されます。特にページ数が多い場合はぜひ作ることをオススメします!
台割の作り方
台割の作成は以下の手順で進めます。
- 台割の種類を選択する
- 台割のフォーマットを用意する
- 各項目に書き込む
台割は表と見開きの2種類があります。ページ数が多いなら表タイプ、写真やイラストが多いならページをイメージできる見開きタイプなど、目的に合わせて選ぶといいでしょう。
フォーマットは、Excelやパワーポイントでの作成、無料で配布されているテンプレートの利用などが便利です。
あまり親しみがなく難しそうなイメージがあるかもしれませんが、手順に従って進めれば、台割は簡単に作成できます。
台割の種類と使い分け
台割は目的に応じて使い分けると便利です。それぞれの特徴を詳しく見ていきましょう。
見開きタイプの台割
見開きタイプの台割は、2ページごとの見開き図に大まかな内容を記入します。実際のページをイメージしやすいのが特徴で、イラストなどの書き込みも可能です。
また、表タイプよりも左右のページ区分がわかりやすいので、見開きの写真やイラストを入れるときにも間違える心配がありません。実際のページがイメージできないと不安、という方は見開きタイプを使用するといいでしょう。
表タイプの台割
ページ数が多いと見開きタイプの台割だと全体を見渡しづらく、管理も大変です。論文集や小説などのページ数の多い冊子の制作には表タイプを利用するといいでしょう。
表タイプの台割は、一覧表のような形式でExcelなどの表計算ツールで作成します。見開きタイプとは違い、ページの左右が分かりづらいので、見開きの写真を入れるページは慎重な確認が必要です。
なるほど、ページ数や内容によって使い分けるといいですね!
基本的には、ご自身で確認しやすい方で良いかと思います。しまうま出版の編集画面は見開きのプレビューを用意していますので、見開きタイプで作成するのがオススメです。
台割に書き込む内容
台割に書き込む内容は自由ですが、基本的な項目の他に、一般の印刷会社に依頼する場合に伝えるべき項目があります。以下の内容を参考に、実際に台割を作成してみましょう。
基本的な項目
台割に書き込むと便利な項目は以下の通りです。
- 通し番号(表紙も含めた全てのページ)
- ノンブル(冊子のページ数)
- 各ページの内容
簡単でもいいので「目次」「特集」など、ページの内容を記入しておきましょう。また、見開きでイラストや写真が入る際には「〇〇の写真」「表①」なども記入することで、内容の抜け漏れを防げます。
台割作成に便利なツール
冊子制作の際に便利な台割ですが、一からフォーマットを作るのは手間と時間がかかります。そこで、台割を手軽に作れる便利なツールを紹介します。以下のツールも活用しつつ、効率良く冊子制作を進めましょう。
テンプレートを利用する
Web上では、ExcelやPowerPointで作成できるテンプレートが無料配布されています。テンプレートなら、すでに用意された項目に書き込むだけなので手間が省けます。「ExcelやPowerPointで管理したいけど作成は面倒」という方におすすめです。
台割作成ツールを利用する
台割の作成・編集ができる便利なツールもあります。「台割エディタ」は台割制作ができるWebアプリケーション。2013年のサービス開始から約3,000以上の方に利用されています。無料の会員登録のみで利用でき、インストールも不要です。
ページ数や内容、印刷の色まで簡単に入力できるので、初めて台割を作る方は利用してみるといいでしょう。
テンプレートが無料で配布されているのは便利ですね!早速作成してみます。
台割は面倒そうな作業ですが、作ることで編集作業が格段に楽になります!特にページ数が多い冊子を作る際には作成することをオススメします。台割を活用して、素敵な冊子を作ってくださいね!
冊子の構成を考えているのですが、全体の流れがなかなかつかめず...作業しながら「最初にこの内容入れ込むべきだった!」など色々と作り直すことが多くて。どうしたらスムーズに作れるようになりますか?