中表紙とはどこ?使われる冊子の種類や役割を紹介

「中表紙」って何だろう。冊子の部位と役割を理解しましょう。
しまうま出版デザイナー

しまうま出版デザイナーより

同人誌や絵本の作成を検討している方は「中表紙とはどの部分を指すの?」「準備したほうがいいのかな…」と悩んでいるのではないでしょうか。冊子の部位には中表紙の他にも表紙や裏表紙、背表紙などさまざまな箇所があるため、それぞれの役割や違いについて迷うことがあるかもしれません。

そこで今回は、中表紙の意味や役割、表紙・裏表紙・背表紙との違いをお伝えします。役割について知っておけば、冊子を作成する際に挿入するかどうかをスムーズに判断できます。中表紙がよく用いられる冊子もご紹介するので「中表紙を入れるかどうか悩んでいる」という方はぜひ参考にしてみてください。

中表紙とはどこ?使われる冊子の種類や役割を紹介
男性

そういえば、中表紙とはどこなんでしょうか?「中表紙」や「裏表紙」って言葉をよく耳にするんですけど、本のどこなのかいまいちピンと来ていないんですよね。

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確かに「表紙」と付いていても面によって呼び方が違ってややこしいですよね。今回は中表紙とは何かについて詳しくご案内しますね。間違いやすい表現も一緒にチェックしていきましょう!

中表紙とは?2つの意味で使われる

中表紙は主に2つの意味で使われます。それぞれ詳しく説明するので、中表紙について知りたい方はどちらの意味に該当するのか、チェックしてみてください。

ビニールに差し込む表紙のこと

中表紙は「差し込みビニール表紙本」のビニールに差し込む本側の表紙のことです。差し込みビニール表紙本とは、手帳のようにビニールで保護されている冊子を指します。わざわざビニールを取り外さない限り、目にすることがない箇所です。

冊子の本扉や中扉のこと

出版用語の「本扉」や「中扉」と同じ意味で用いられることもあります。本扉は、アルバムや本などの表紙をめくった次のページを指し、本のタイトルや出版社名、著者名などが記載されている部分です。

中扉は本の内容が変わる区切りや新たな章の始まりを示すページであり、「扉」と呼ぶ場合もあります。上質な素材の紙や他のページと違う色が用いられ、視覚的に他のページと区別する役割を果たしています。

同人誌の作成手順の説明などで用いられる中表紙は、本扉や中扉と同じ意味合いと捉えていいでしょう。本記事では本扉や中扉と同じ意味として、中表紙について解説していきます。

中表紙(扉)の役割とは?

普段何気なく見ている中表紙ですが、読者に対して必要なことを伝える重要な役割があります。ここからは、中表紙の役割を詳しく紹介します。

タイトルや作者などの基本的な情報を伝える

先ほどお伝えした通り、中表紙には本のタイトルや出版社名、著者名が記載されています。本文に入る前に、本の概要を紹介する役割があるともいえるでしょう。表紙を開いて一番初めに現れるため、本の基本情報を頭に入れた状態で読み進められます。

内容の区切りを分かりやすくする

本の内容が変わる区切りや新たな章の始まりを示すページとして、中表紙を用いることもあります。読者は本の途中に登場する中表紙を見ることで、内容が変化する心構えができます。

中表紙を入れると区切りがついて読み進めやすくなるため、ページ数が多い冊子を作成する際におすすめです。また複数の物語や作品をまとめた一冊であれば、章や著者ごとの区切りに中表紙を入れると、読者は作品の世界観に入り込みやすくなります。

中表紙と間違いやすい表紙・裏表紙・背表紙はどこ?

出版用語には「表紙」と付いた用語が多数あり、それぞれの違いを詳しく知らない方もいらっしゃるでしょう。ここでは、中表紙と混同しやすい「表紙」「裏表紙」「背表紙」についてまとめました。例えば、左綴じの場合、以下の図のようになります。

表紙、裏表紙、背表紙が図示されたイラスト

表紙

表紙は冊子を閉じたときの表に来るタイトルや著者名が記載されている部分です。ほとんどの方がイメージしている部分で間違いありません。本全体の印象を左右する顔といえるでしょう。出版業界では表紙を「表1」、表紙の裏面を「表2」と呼びます。

裏表紙

裏表紙とは、閉じた冊子をひっくり返したときに表になる部分です。先ほど紹介した「表2」と勘違いしやすいのでご注意ください。出版業界では、裏表紙の裏面を「表3」、裏表紙を「表4」と呼びます。

背表紙

背表紙は、本棚に冊子を収納したときに見える背の部分で、タイトルなどが記載されています。のりを用いる無線綴じで製本した場合に作られ、ページ数が多かったり使用する紙が厚かったりすると背表紙の幅は大きくなります。

男性

「裏表紙」を間違っていたかも...表紙をめくった場所が「中表紙」なんですね!

中表紙(扉)が使われる冊子の種類

ここからは中表紙がよく使われる冊子を紹介します。それぞれの冊子における中表紙の役割についてもお伝えします

卒業論文

大学の卒業論文には、中表紙を入れるよう指示されることがあります。この場合は表紙から二枚目のページに、論文題目と学部・学科、氏名などを記載します。
いきなり本文から始まると、読み手は「何について書かれているのか」「誰が書いているのか」が混乱したまま読むことになるからです。卒業論文の要項に従って、正しいフォーマットの中表紙を用意しましょう。

絵本やマンガ

絵本やマンガにも、開いてすぐにタイトルページが挿入されています。タイトルだけでなく絵にもこだわると、読者は絵本やマンガの世界観に引き込まれやすくなるでしょう。
またマンガでは、カバーを外すと見られる表紙部分を中表紙と呼ぶことが稀にあります。おまけマンガやイラストなどが楽しめるため、読者の楽しみの一つにもなっています。

同人誌

同人誌には、タイトルや作者を明示するために中表紙を入れることがあります。イラスト同人誌ではあまり見かけませんが、小説同人誌や再録本では挿入されることが多いです。また、一冊に複数の話が入っている場合は、区切りとして中表紙を入れることもあります。

短編集やアンソロジー

短編集やアンソロジーなどのいくつかの作品や物語をまとめた冊子の場合、内容や作者が変わる箇所に目印として中表紙を入れます。「〇〇さんの作品を見たい」というときも、中表紙があれば探しやすくなるでしょう。また、世界観が切り替わる印にもなるため、読者は「これからどんな(誰の)話を読むのか」の心構えができ、スムーズに読み進められます。

参考書や問題集

ページの多い参考書や問題集では、章ごとを区切る際に中表紙が用いられます。区切りなく突然新しいテーマの問題や解説が始まると、頭の切り替えが難しく、スムーズに勉強を進められないでしょう。また、問題と回答を区切る際にも中表紙は使用されます。

男性

中表紙(扉)にはいろいろな役割や使い方があるんですね!

しまうま出版デザイナー

中表紙は機能的な役割の他にも、読む人にテンポを与えたり、間をとったり、余韻を与えたり...と、コンテンツの空気感を演出することもできます!ぜひ有効活用して素敵な一冊を作ってくださいね!


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