自費出版の費用はどのくらい?パターン別の相場や内訳も紹介

費用には大きな差があるので、要望と費用のバランスを検討しましょう
しまうま出版PM

しまうま出版PMより

自費出版をお考えで「費用の相場はどのくらいなのだろう。なるべく安くできないかな。」とお悩みの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
今回は、自費出版の費用相場や内訳、費用を抑える方法を解説します。費用は出版社やサービスの内容によって大きく異なるので、比較検討することが大切です。

自費出版の費用はどのくらい?パターン別の相場や内訳も紹介
男性

こんにちは。技術者コミュニティで執筆した書籍の自費出版を考えているのですが、しまうま出版で費用を抑えてお願いすることはできますか?

しまうま出版PM

なるほど、自費出版をお考えなのですね。ちなみに、どれくらいの部数を作ることを見込まれていますか?

男性

300部くらいを考えています!
あと、書店に置いてもらえると嬉しいなぁと思っていますが、費用にもよりますね…。

しまうま出版PM

なるほど。しまうま出版では残念ながら書店で買えるようにはできないのですが、しまうま出版以外の選択肢もありますよ。今回は番外編。自費出版について、しまうま出版以外の他社さんサービスをメインにご紹介しますね。費用の相場感についてもお伝えします。

自費出版の費用相場は?2パターンを紹介

しまうま出版PM

自費出版の費用相場は「文章がメインの本」と「画像や絵がメインの本」の2パターンで異なります。今回はその2パターンから、費用目安を提示している自費出版が行える出版社を比較しました。それぞれ詳しくみていきましょう。

文章がメインの場合の費用相場比較

文章がメインの書籍には、小説や自伝、ビジネス書、学習参考書などがあります。今回は新潮社、青山ライフ出版、一粒書房の3社を比較して以下の表にまとめました。各社サービスの内容が若干異なるので、厳密な横並びの比較ではないですが、参考にしてみてください。

出版社 本の仕様 部数 価格
新潮社
  • 四六判
  • ソフトカバー
  • 200ページ
300部 1,850,000円(税別)
青山ライフ出版
  • 四六判
  • ソフトカバー
  • 〜240ページ
  • 図版10点掲載
  • 表紙カバーなし
300部 715,000円(税別)
一粒書房
  • 四六判
  • ソフトカバー
  • 200ページ
300部 317,000円(税別)

2022年7月31日時点の情報です。あくまでも目安であり、本の仕様によって価格は異なります。

しまうま出版PM

比較すると、費用に大きな開きがありますね。本の仕様にもよるところが大きいですが、文章がメインの場合は相場としては100万円くらいは最低限用意しておいたほうが良さそうですね。新潮社のような知名度のある総合出版社は費用が比較的高く、部数も100部から提案している会社がほとんどです。今回は部数を揃えて比較しましたが、格安で利用できるような小規模の自費出版専門の会社では10部くらいからの小部数での出版もサービスとして提供していたりします。
また、出版社によって仕様が違う点もポイントです。例えば比較表では、青山ライフ出版のみが図版10点の掲載を料金に含んでいます。その他の出版社では、図版を有料のオプションで追加します。比較する際には、書籍の内容もイメージして、その中で安いサービスを探してみてください。

画像や絵がメインの場合の相場比較

画像や絵などのカラーページがメインの書籍には、絵本、写真集、レシピ本などがあります。今回は小学館スクウェア、パレードブックス、自費出版の会の3社を比較して以下の表にまとめました。こちらも各社サービスの内容が若干異なるので、厳密な横並びの比較ではないですが、参考にしてみてください。

出版社 本の仕様 部数 価格
小学館スクウェア
  • B5版
  • ハードカバー
  • 表紙カバーあり
  • 24ページ
300部 2,338,000円(税別)
パレードブックス
  • B5版
  • ハードカバー
  • 表紙カバーあり
  • 24ページ
300部 681,000円(税別)
自費出版の会
  • B5版
  • ハードカバー
  • 表紙カバーなし
  • 〜32ページ
100部 499,800円(税別)

2022年7月31日時点の情報です。あくまでも目安であり、本の仕様によって価格は異なります。

しまうま出版PM

画像や絵などのカラーページがメインの書籍は、印刷に使うインクの色数が増えるので、基本的には文章などモノクロページがメインの書籍よりも費用が高くなります。こちらも知名度のある出版社になると最小部数が多くなったり、料金が高くなる傾向がある点は同じですが、例えば費用を抑えるために100部出版する場合でも最低でも50万円ほど必要になります。相場感としてはこちらも100万円程度は最少でも見ておいたほうが良いでしょう。
また、こちらは先程の文章がメインの場合と比較して、大きくページ数を減らした上でこうした金額感になっている点にも注意しましょう。今回例として挙げた本の仕様(24ページ程度)だと、写真集などとしては物足りないものになるかと思いますので、出費を抑えたい場合は、部数を抑えつつ安価に利用できるサービスでの出版も検討してみましょう。

自費出版の費用内訳

自費出版にかかる費用の内訳は「自費出版での冊子作成自体にかかる費用」と「流通や宣伝にかかる費用」の大きく2つに分けられます。それぞれ見ていきましょう。
まず、自費出版での冊子作成自体にかかる費用には以下のようなものが含まれています。

  • 編集(原稿の整理やデータ入力)
  • 執筆(執筆を代行してもらう場合)
  • 校正
  • デザイン
  • 印刷・製本
  • 用紙

次に、書店流通を希望する場合は、流通や宣伝にかかる費用として、以下のような費用も追加で必要になってきます。

  • 流通費
  • 販促、広告宣伝費用
  • 書籍の保管費
しまうま出版PM

書店流通は、流通に乗せたい、店頭に並べてほしいなど、著者の要望をどの程度叶えるかによっても料金の相場が大きく異なります。例えば、Amazonなどの通販に出品する場合と、街にある書店の棚に陳列して雑誌広告などを掲載する場合は、当然ながら後者の方が費用がかかります。
また、書店に陳列してもらうようなかたちで流通した場合でも、実際に売れる冊数は少ないのが現実です。書店流通を希望する場合は、思うように売れない可能性がある点を考慮しましょう。まれに実際は売れる見込みなどがほとんどないにも関わらず、「書店に並ぶ」「確実に売れる」などの期待を持たせる売り文句で、初心者に高額な費用負担を伴う自費出版をさせてトラブルになっている場合があります。
ここまで見てきたように、非常に大きな金額が動くのが自費出版です。夢を叶えたい気持ちは大切ですが、一方で料金や契約内容などをしっかりと確認し、リスクをきちんと把握した上で自費出版は行いましょう。

自費出版の費用を決める3つの要素

自費出版の費用は本の仕様や部数、書店流通の有無など、出版社選び以外の点でも異なってきます。
以下の3つの要素を参考にして、自身の出版に必要な要素を検討してみてください。

本の仕様

1つ目の要素は、本の仕様です。本の仕様には、以下のようなものがあります。


  • 製本方法(ソフトカバー、ハードカバー)
  • モノクロ印刷か、カラー印刷か
  • 本のサイズとページ数
  • 用紙の種類
  • 印刷の際の加工(PP加工など)


用紙に上質な紙や特殊な紙を使用したり、加工の工程や手間が多かったりすると費用が上がります。見積もりの際は、製本方法や用紙の種類などにも気を配りましょう。特に部数が多い場合は、本の仕様に変更が発生した際には必ず見積もりを取り直すことを強くおすすめします。1冊あたりでは大きな金額にならなくても、数十冊、数百冊となると、かなり大きな金額の違いが発生する場合があります。

出版する部数

2つ目の要素は、出版する部数です。一般的には、部数が多いほど全体としては費用が上がりますが、一冊あたりの料金は安くなります。多くの出版社では最低部数を定めており、想定外に最低部数が多い場合もあるので事前の確認が必要です。
また、書店流通を希望する場合、一般的には最低でも200部以上は刷ることになるので、費用が多くかかります。「親しい人に配りたい」という目的なら、小部数でも出版できる会社やサービスを探すといいでしょう。

書店流通の有無

3つ目の要素は、書店流通の有無です。出版した書籍をAmazonなどの通販で販売するほか、書店にも流通する商品として登録して取り寄せできるようにしたり、書店に並べたりします。
書店流通では、先述のように基本的には発行部数が多くなり、流通や宣伝にかかる費用が上乗せされます。出版社によって価格や部数の指定が異なるので、各社のサービスを比較検討することが大切です。

自費出版の費用を安くするには

しまうま出版PM

自費出版する方の中には「相場よりもなるべく費用を抑えたい」とお考えの方もいらっしゃると思います。費用を抑えるには、作業工程や本の仕様、部数など工夫できるポイントがあります。それぞれ詳しく見ていきましょう。

原稿の校正・データ作成まで自分でやる

自分で原稿の校正やデータ作成をすれば費用を抑えられます。出版社によっては、印刷可能な状態のデータを送る「完全データ入稿」を受け付けています。ご自身で校正や入稿データ作成ができる方は検討してみるといいでしょう。
ただし、無理にご自身で作業すると完成品に誤字が出てしまったり、レイアウトがおかしくなったりする可能性があります。校正やデータ作成の経験がない場合は、出版社のプロに任せることをおすすめします。

本の仕様を安いものに変更する

本の仕様を安いものに変更することも、手段のひとつです。具体的に変更を検討できる点には表紙のデザインや、製本の形式、用紙の種類などがあります。例えば表紙デザインの場合、完全オリジナルといくつかのパターンから選ぶ場合では、後者の方が安くなります。また、ハードカバーよりも工程の少ないソフトカバーに変更することも選択肢のひとつです。紙の種類についても好みが特にないのであれば、安めのものを使ってもいいかもしれません。自身の譲れるところと譲れないところを考えながら、予算と相談してより良い選択をしてください。

数冊から利用できるサービスや格安サービスで自費出版する

少ない部数で出版することも、検討するといいでしょう。部数が増えるごとに費用は上がります。「身内に配りたい、記念に出版したい」といった目的であれば、小部数で出版することをおすすめします。また、誰もが知っているような出版社のサービスはどうしても高くなりがちです。もっと安いサービスでも冊子自体は十分な品質で作成してくれる場合もありますので、格安でサービスを提供しているような会社を探してみるのもおすすめです。インターネットで検索すれば多くの情報にアクセスできる時代ですので、自分が思いつく会社だけではなく、様々な会社が提供している自費出版サービスを調べてみましょう。

まとめ

自費出版には、大きな費用がかかります。無駄な費用を抑えるためには、自費出版にかかる費用の相場や内訳を把握し、自身にとって必要なサービスは何かを考えながら、会社やサービスを比較することが大切です。今回ご紹介した内容を参考にして、ご自身の自費出版に必要な費用を検討してみましょう。

男性

ありがとうございました!
ちょっと仲間内で盛り上がりすぎていたかなと思うので、仲間とも部数や流通経路について、費用なども踏まえてもう一度相談してみようと思います。

しまうま出版PM

はい。自費出版の費用負担は青天井で大きくなりがちなので、丁寧に用途に合ったサービスをご検討いただくのが良いかと思います。

男性

ところで、今回は本当に「しまうま出版」の話題が出てきませんでしたが、大丈夫ですか?

しまうま出版PM

ご心配ありがとうございます。最後に少しだけ宣伝させていただきますね。笑
書店流通等を希望されず、少部数で。ということであれば、お役に立てるかもしれません。用途によって、しまうま出版もご検討いただければと思います!

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