同人誌の作り方|原稿作成の基本や注意点を解説

自分の作品を一冊に。初めての同人誌作成。
しまうま出版デザイナー

しまうま出版デザイナーより

「同人誌を制作してみたいけど、作り方がわからない」とお悩みの方へ向けて、同人誌の制作手順をご紹介します。初めての制作でも迷わず進められるように注意点も併せて解説します。ぜひこの記事を参考にしていただき、同人誌制作に挑戦してみてください。

同人誌の作り方|原稿作成の基本や注意点を解説
男性

自分が描いたイラストをSNSにアップしているのですが、作品点数がたまってきたので、ぜひこの機会に本にしたいと思っています!同人誌の印刷を依頼するのは初めてで、正直なところ作り方がよくわかっていないのですが、大丈夫でしょうか?

しまうま出版デザイナー

いいですね!ぜひ、チャレンジしましょう!様々な同人誌の印刷サービスもありますし、形になると感動もひとしおですよ。今回は、初めての方に向けて同人誌の作り方ををご案内しますね。

男性

はい!この機会に同人誌の作り方をマスターしようと思います。よろしくお願いします!

同人誌の作り方3ステップ

同人誌の作り方は大まかに3ステップに分けられます。作り方を順番に見て、どのようなスッテプを踏んで同人誌を作るのか確認していきましょう。

1:同人誌を印刷してくれる印刷所を探して印刷所を決める

まずは依頼する印刷所を決めます。印刷所といっても、今回の場合は同人誌など個人でも印刷をお願いできる場所を探しましょう。商業出版物などをメインで扱う会社などでは個人向けのものは取り扱っていない場合があります。また、会社やサービスによって原稿データに使用できるファイル形式や入稿のスケジュールが異なります。自分にあったサービスを探して、スケジュールに余裕を持って決めておきましょう。

ちなみに、印刷所には予約型と通販型の2種類があり、制作や発注のスケジュールを決定するのに若干差が出ますので原稿作成の説明の前にご紹介します。まず、予約型の印刷所は、事前に予約した上で、締め切り日までにデータを作成して入稿します。一方、通販型は発注・支払いのタイミングでデータを入稿します。データ作成が終わってから入稿するので、ご自身で締め切りを決めましょう。しまうま出版の場合は、通販型になります。

また、印刷所を利用しない同人誌の作り方として「コピー本」があります。同人誌即売会などのイベントの直前まで原稿データを作成できますが、印刷・製本をご自身で行うので手間と時間がかかります。印刷の品質も印刷所に依頼する場合と比べて低くなりがちですので、同人誌を作成される場合は、印刷所に原稿データを送って印刷・製本を依頼することをおすすめします。

2:受け付けてくれる仕様に応じた作り方を想定し、原稿データを作成する

印刷所が決まったら、原稿データを作成します。印刷所やサービスによって原稿データに使用できるファイル形式、サイズや使用ツール、入稿のルールが異なるので、よく確認してから作成しましょう。クリエイティブ活動初心者や初めて同人誌を作成される方向けに、印刷所によってはテンプレートやデータの作り方、書き出し方法などをまとめたWebページなどを提供している場合もありますので、そうしたものを利用できる場合は、利用したほうが失敗が少ないです。締め切りに間に合うよう計画的な制作が大切ですので、スケジュール管理をしっかりを行って原稿データを作成しましょう。

3:最終確認をして印刷所に入稿する

原稿が仕上がったらいよいよ原稿データを入稿します。
特に同人誌即売会などのイベントなどに参加される場合は、原稿データや注文内容に不備があると、冊子の印刷・製本が遅れてイベント当日までに間に合わない可能性もありますので、注意しましょう。また、原稿データに使用できるファイル形式や、寸法、必要な情報の埋め込みなど、印刷所の仕様を確認し、入稿前に慎重にチェックしましょう。最近では同人誌などを気軽に作れるようになった反面、仕様を守らずに作成されたデータが入稿される場合も増えてしまって印刷所が対応に苦慮するというケースもあるようです。スムーズな印刷・製本のためにも事前チェックを怠らず、仕様に沿ったデータの作り方をすることも同人誌を作成する上では重要です。

同人誌の原稿の種類

同人誌の原稿には、アナログ原稿として作る場合とデジタル原稿として作る場合があります。それぞれの原稿の特徴を見ていきましょう。

アナログ原稿で作る場合

アナログ原稿は、専用の用紙に鉛筆やペンで手書きのイラストを書いて制作します。線の太さや擦れなど、デジタル原稿では表現することが難しいニュアンスが表現しやすい点がメリットです。
一方、修正が難しいので、失敗するとページごと原稿の作成がやり直しになる可能性があります。特に漫画の同人誌を制作する際は描き間違いや、原稿に貼り付けたセリフ・トーンの剥がれに注意が必要です。また、最近ではアナログ原稿の印刷を受け付けていない印刷所も多いです。アナログ原稿を持ち込んだり送付して、印刷してもらおうと考えている場合には、そもそも依頼先がアナログ原稿を受け付けているのか事前に確認しましょう。

デジタル原稿で作る場合

デジタル原稿は、主に画像編集ソフトやペイント系のアプリを使って作成します。よく使われているツールはPhotoshopやIllustrator、CLIP STUDIO PAINTなどです。最近はタブレット型端末やスマートフォンの機能向上やアプリの充実などもあり、デジタルの作品を制作することのハードルが下がりました。PCとペンタブを所有していなくても、デジタルでの原稿データ作成ができるようになっています。
デジタル原稿の制作には一定の初期費用がかかりますが、下書きから仕上げまでをPCなどのデジタル端末で完結できる点は大きなメリットです。なお、デジタルツールのファイルをPDFなどに書き出さずに原稿データとして扱いたい場合、依頼する印刷所が原稿データとして使用しようとしているデータ形式に対応しているか確かめましょう。

同人誌の原稿の作り方で注意するポイント

同人誌の原稿データを作る際には、いくつかの注意点があります。原稿データ作成時のミスによる意図しないプリントや納品の遅れに繋がらないよう、それぞれ詳しく見ていきましょう。

奥付を付ける

注意点の1つ目は、奥付を付けることです。奥付は冊子の発行責任を示すためのページで、不備があった際の問い合わせにも利用します。奥付のない同人誌は、発行責任を明確にしていないため、何かやましい事があるのではないかと勘ぐられることもあります。同人誌即売会などのイベントによっては奥付を付けていない作品は販売不可としている場合もありますので、販売・頒布を想定している場合には基本的に奥付を付けることを強くオススメします。ルールを守っている意思表示にもなりますので、必ず奥付を付けましょう。なお、奥付に必要とされる主な項目は以下の通りです。

  • タイトル
  • 発行日
  • 著者名もしくはサークル名
  • 責任者の連絡先
  • 印刷会社名

トンボをつける

注意点の2つ目はトンボをつけることです。トンボとは印刷・断裁の仕上がり位置を示す目印のことで、原稿の中心を確認したり、裁断したりする際に必要です。トンボを繋いだ線である「仕上がり線」から大事な文字やイラストがはみ出ると、見切れてしまうので気をつけましょう。
ただし、印刷所によっては原稿データにトンボが不要な場合もあります。各社のホームページに入稿の注意点が記載されているので、トンボの有無について原稿データ作成の前によく確認してください。しまうま出版を利用する場合は、トンボを原稿データに含める必要はありません。

必要な場合は忘れずにノンブルをつける

注意点の3つ目は、必要な場合は忘れずにノンブルをつけることです。ノンブルとはページ番号のことで、読み手にページ番号を伝える他にも、生産時にページの落丁や乱丁を防ぐ役割があります。ノンブルの付け忘れや打ち間違いは、気づいたときのショックが以外にあるもの。原稿データを作成する際は、最後の方に行うことが多い作業ですので、付けたい場合は忘れないように注意しましょう。ページの下端に記載されることが多いですが、見切れてしまわないよう、仕上がり線より最低でも5mmほど内側に配置すると良いでしょう。

書き出し後のファイルを確認する

注意点の4つ目は、書き出し後のファイルを確認することです。多くの場合、作成した原稿はPDFに変換して入稿します。このときファイルが文字化けしたり、不要な線などが残ったりすると、そのまま印刷されてしまう可能性があります。原稿データの書き出しが済んだら、作成されたファイルの中身を丁寧に目視でチェックしましょう。また、入稿の際のファイル名が指定通りになっているかも併せてチェックしておくことをおすすめします。

しまうま出版デザイナー

しまうま出版では、初めての方でも簡単に使える編集UIを用意しています。トンボや印刷入稿の知識は不要。また、ノンブルも自動で記載することが可能です。仕上がりのイメージも画面上のプレビューで確認することができます。ぜひ試しに触ってみてください!

漫画・イラスト以外の同人誌の作り方

同人誌の中でも小説やコスプレ写真集など、漫画以外を作成する方もいるでしょう。それぞれの作成方法について解説します。

小説同人誌の作り方

小説の同人誌は一般的にはWordやPagesなどのテキストエディタで作成し、WordファイルやPDFの形式で入稿される場合が多いです。最近ではPCやスマートフォンのデフォルトメモアプリや自作小説専用のアプリを使われる方も。他にも、挿絵などを差し込まれる方はInDesignを使う方もいらっしゃいますが、かなりプロ向けに近い印象ですので、特に初心者の方などは迷ったらテキストエディタの利用をオススメします。
ファイルの保存や書き出しなどでファイル形式を変換した際は、印刷時のレイアウト崩れや文字化けが発生している場合があります。変換後は必ず目視でチェックし、不備がないか確かめましょう。また、特にPDF形式で入稿する際は印刷会社によってフォントの埋め込みなどを求めている場合があります。フォントが埋め込まれていないと、折角の小説作品のフォントが思ったものと違って出力される場合もありますので、注意しましょう。
なお、しまうま出版の場合は小説に関しても、現在はJPEGかPNG形式に変換した画像データでの入稿をお願いしております。PDFやWordファイルの形式では入稿いただけませんのでご注意ください。

コスプレ写真集の作り方

コスプレ写真集を作成される場合は、写真の品質と出力品質が出来栄えに一番大きな影響を及ぼします。印刷会社やサービスごとに出力解像度の目安を示している場合がほとんどですので、利用される会社やサービスのホームページ等で情報を確認して原稿データを作成しましょう。なお、一般的には300~350dpi程度で出力される場合が多く、しまうま出版では300dpiで出力されます。出力物を魅力的に見せるために表紙にはグロスPP加工やマットPP加工を施すと、市販のムックや写真集のような高級感のある仕上がりになりますよ。
また、最近は小部数で簡単に印刷・製本できるサービスも増えています。しまうま出版では1冊からお手頃な価格で簡単にフォトブックの制作が可能なので、よろしければ選択肢の一つとして検討してみてください。特に通常4色で印刷されるフルカラー印刷ですが、「プライム」グレードの商品では特別に7色を使用して印刷しています。写真の表現力を最大限まで引き出すことができますので、渾身の1冊にぜひご利用ください!

まとめ

同人誌の作成には事前の確認や原稿データの準備などさまざまな過程があります。一見難しそうですが、今回ご紹介した作り方や注意点を踏まえて、同人誌の作成を依頼する印刷所の説明やルールをよく確かめれば、大きな問題なく制作できるでしょう。
また、しまうま出版なら、1部から簡単に安く同人誌を作成できます。漫画や小説の同人誌を作成される場合は、本身がグレースケール印刷される「漫画」の商品バリエーションを、イラストや写真集の同人誌を作成される場合は本身がカラー印刷される「イラスト」か「写真集」の商品バリエーションを選択してください。上記以外にもアイデア次第で絵本など他の表現であっても問題なく印刷・製本にも対応しているので、ぜひ利用を検討してみてください。初心者の方の「はじめての一冊」におすすめです!

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