自費出版の本は図書館に寄贈できる?必要なものや具体的な流れを紹介
しまうま出版デザイナーより
「自費出版した本を図書館に寄贈したい!」「本を直接持って行っていいのかな?」とお悩みの方へ向けて、自費出版の本を図書館に寄贈する流れや必要な手続きを解説します。図書館に本を寄贈する際の注意点も紹介するので、ぜひ参考にしてください。
しまうま出版では図書館への寄贈手続きを行っていませんが、個人でもできますよ。
そうなんですね。それでは、自費出版の本を寄贈する際の流れを教えてほしいです。
では、図書館への寄贈に必要な手続きを注意点と併せて具体的にご紹介しますね。
自費出版の本は図書館に寄贈可能?
自費出版の本を寄贈できるか否かは図書館によって異なります。ここでは「国会図書館」と市区町村などの「地域の図書館」に分けて解説します。
まず、国会図書館への本の寄贈は可能です。日本では「国会図書館法」により、国内で発行された全ての出版物は国会図書館への納本が義務付けられています。一方、地域の図書館では必ずしも寄贈を受け付けているわけではありません。本の保管スペースが限られているため、選書した結果断らざるを得ないこともあります。
自費出版の本を図書館に置くにはISBNコードが必要
自費出版の本を図書館に置く際に必要なのが「ISBNコード」です。しまうま出版ではコードの取得代行を行っていませんが、個人でも取得できます。ここでは、ISBNコードの概要や取得の手順を詳しく解説します。申請には2週間程度かかるので、以下を参考に余裕を持って申請してください。
ISBNコードとは
ISBNコードは、本の発行形態や書名を1つずつ識別するためのものです。本の裏表紙にある13桁のコードで「978…」から始まります。正式名称は「国際標準図書番号(International Standard Book Number)」といい、およそ200の国と地域で使用されている共有の番号です。
書店や図書館などではISBNコードを使って本の場所や在庫数を管理しており、書店や通販サイトで本を検索する時にも便利です。たとえば大手通販サイト「Amazon」では、ISBNコードを入力することでお目当ての本を簡単に探し当てられます。
ISBNコードの取得方法
ISBNコードは出版社が取得を代行するケースもありますが、個人での申請・取得も可能です。ISBNコードは「日本図書コード管理センター」という機関が管理しており、Webサイトから必要な情報を入力して申請します。手順は以下のとおりです。
- 日本図書コード管理センターのWebサイトを開く
- 申請フォームに必要事項を入力する
- 申請後1〜2日ほどで事務局から電話連絡が来るので質問に答える
- 取得費用決済用のURLが記載されたメールを受け取り、支払いする
- 決済後メールで登録完了のお知らせが来る
- 登録完了1週間後、登録書類一式が申請時の住所に届く
ISBNコード申請の際には「申請料」がかかります。初めてコードを取得する場合と追加取得では料金が異なるので、日本図書コード管理センターのホームページで確認してください。
参考:日本図書コード管理センター
取得申請から登録完了までは2週間(営業日)ほどかかります。余裕を持って申請しましょう。
自費出版の本を図書館に置いてもらう流れ
先述のように、自費出版の本を図書館に置いてもらえるかは図書館によって異なります。出版社がISBNコード取得から寄贈までを代行するケースもありますが、ここでは個人が図書館へ本を寄贈する流れを解説します。国会図書館と地域の図書館に寄贈する際の流れを、それぞれ見ていきましょう。
国会図書館の場合
国会図書館へ寄贈する場合、本を直接持参もしくは送付します。持参する場合は、国会図書館・東京本館の「納本カウンター」へ持参します。送付する場合は郵送もしくは宅配で送付してください。着払いは不可なので気をつけましょう。
国会図書館へ納本義務があるのは1冊のみです。ただし、2部納本すると東京本館と関西館で1部ずつ所蔵できます。納本の際は以下の取扱時間や送付先を参照してください。
国立国会図書館 収集書誌部 国内資料課
〒100-8924 東京都千代田区永田町1-10-1
※受付時間:月~金曜日(祝日・年末年始を除く)9時~17時45分
引用:国立国会図書館
地域の図書館の場合
地域の図書館へ寄贈する場合は、あらかじめ寄贈する図書館に相談するといいでしょう。図書館によっては、ホームページで「寄贈のガイドライン」が公開されている場合もあります。たとえば、東京都立図書館では「寄贈申出資料の受付に関するガイドライン」にて以下のような事柄について方針が公開されています。
- 受付できる資料
- 受付できない資料
- 受付の条件
- 受付後の資料の取扱
参考:東京都立図書館
まずは上記のようなガイドラインがあるかホームページで確認し、ない場合は事前に電話連絡などで相談するとスムーズです。
自費出版の本を図書館に置いてもらう際の注意点
図書館へ本を寄贈する際には、寄贈後の本の扱いや所蔵できる本の基準など事前の確認が大切です。納得して寄贈できるように、ぜひ以下の注意点を参考にしてください。
寄贈後の本の扱いは図書館に一任される
1つ目の注意点は、寄贈後の本の扱いが図書館に一任されることです。特に地域の図書館は本を保管できるスペースが限られており、寄贈しても処分せざるを得ない場合もあります。
実際に寄贈した本が処分されてしまい、寄贈主と図書館との間でトラブルに発展したケースもあります。本を寄贈する際には、処分される可能性を理解した上で検討することが大切です。
寄贈本の基準を定めている図書館も
2つ目の注意点は、図書館によっては寄贈本の基準を定めている点です。図書館では本のジャンルや状態などの基準が定められています。たとえば「漫画は受け付けない」「郷土に関する資料は受け付ける」などです。本を寄贈する前にガイドライン等で確認しましょう。
まとめ
今回は自費出版の本を寄贈する方法を解説しました。ご紹介した手順や注意点を参考に、図書館への寄贈を検討してみましょう。「これから自費出版しようと思っている」という方は、「しまうま出版」の印刷・製本サービスがおすすめです。しまうま出版では、高品質の本を少部数から作成できます。ぜひ、今回ご紹介した内容と合わせて自費出版に役立ててください。
記事内容は記事公開時点のものです。
自費出版の本を図書館に寄贈したいと思っているのですが、しまうま出版でお願いすることはできますか?