同人誌の市場規模は?盛り上がっている理由と出版する際の注意点も解説

盛り上がっている同人誌。ハードルが低くなっている分、注意点も。
しまうま出版デザイナー

しまうま出版デザイナーより

「同人誌の市場規模はどのくらい?盛り上がっている理由は?」と疑問を持っている方に向けて、同人誌の市況や動向をお伝えします。あわせて同人誌を出すときの注意点もまとめているので、出版に向けて活動している方はぜひ最後までご覧ください。

同人誌の市場規模は?盛り上がっている理由と出版する際の注意点も解説
男性

今、同人誌界隈が盛り上がっていますよね!ぜひ私も本を作ってみたいな...と考えています。同人誌の市場規模はどのくらいですか?

しまうま出版デザイナー

同人誌の市場は、800億円を超える市場規模でしたが、コロナウイルスの影響により一時的に衰退しています。ただ2021年以降は回復傾向にあり、現在も伸び続けています。

男性

なぜ今も伸び続けているのでしょうか?

しまうま出版デザイナー

SNSなどの発達により、自分と同じ趣味や興味をもつ仲間を見つけやすくなったことが一因として考えられます。作品を見せ合うような友人がいれば、作品を作るモチベーションに繋がりますよね。その他の理由や出版するときの注意点もあわせてお伝えします。

同人誌の市場規模と推移

矢野経済研究所の調査データによると、同人誌の市場規模は約880億円(2022年度)とされています。2018年から820億円ほどの市場規模があり伸びていましたが、2020年のコロナウイルスの拡大により一時的に衰退し、743億円まで落ち込みました。

しかしオンライン流通の影響もあってか、2021年以降は回復傾向にあり、2022年度の予測では880億円まで上昇を見せています。

2023年には政府によるマスクの着用の考え方が改められたことなども受け、夏に国際展示場で行われるコミックマーケットも開催される予定です。したがって、今後も同人誌の市場は伸びていくことが予想されます。

電子コミックの市場は伸びている

同人誌の市場から派生するコミック全体の市場を見ると、電子コミック市場が伸びていることがわかります。

出版科学研究所の調査によると、コミック全体の市場規模は6,759億円です。電子コミックはそのうち4,114億円と、全体のおよそ6割を占めています。

さらに、電子コミック市場は2014年以降急激な成長を遂げていて、2014年は887億円だったのに対し2021年はその4倍以上まで数字が伸びています。同人誌が流通する電子コミック市場が伸びていることから、うまく販売経路を使いこなせば同人誌の市場も伸びていくと言えるでしょう。

参考:コミック販売額 出版科学研究所

高い人気を誇るコミケ

同人誌の市場を見るにあたって欠かせないのがコミケ(コミックマーケット)です。同人誌を売る場所であるコミックマーケットは、市況を握っているといっても過言ではありません。

コミックマーケットの公式サイトによると、東京ビッグサイトで3日間コミケを開催した場合、入場者数の合計は約55万人です。参加する同人サークルの数に置き換えると3.5万と言われています。

参考:コミックマーケット公式サイト

仮に55万人が1日に1万円使ったとすると、コミケだけで3日間で165万円を売り上げたことになります。

同人サークルそれぞれが同人誌を編集、出版することを考えると、市場に出回る金額はさらに大きくなるでしょう。ニッチではあるものの、人気が高く根強いファンが多い市場と考えられます。

同人誌の市場が盛り上がっている理由

昔から現在にかけて同人誌の市場が盛り上がっている理由は、個人でも自由な創作ができること、Web上で自由に取り扱いできることなどがあげられます。それぞれの内容を見てみましょう。

原作にはない面白さを出せる

同人誌市場が盛り上がっている1つ目の理由は、二次創作作品の場合、原作にはない面白さを出せるからです。たとえば原作にはない特殊な設定を加えたり、メインストーリーのその後の話を考えたりなど、二次創作ならではの楽しさを味わえます。

同人誌で描く創作ストーリーや作者ならではのイラストがあるからこそ、同人誌は面白いと感じられるのです。

個人でも自由な創作ができる

同人誌市場が盛り上がっている2つ目の理由は、個人でも自由な創作ができるからです。本を出すとなると、出版社に売り込みに行ったり、賞を取るためにコンテストに出したりするなどハードルが高くなってしまいます。

一方で同人誌であれば、個人やサークル単位で好きな作品を作って少部数から売ることが可能です。自分の表現したい内容を自由に創作できることが、同人誌が好まれる大きな理由とも考えられます。

Web上で売買・閲覧でき、身近な存在に

同人誌市場が盛り上がっている3つ目の理由は、Web上で売買、閲覧ができるからです。同人誌はインターネットや通信販売を使えば、オンラインでたくさんの人に届けることができます。

また、そうして知り合った人と新たな交流が生まれることもあるため、Web上に作品を出すことは作家にとってもメリットが大きいのです。

同人誌を出すときの注意点

同人誌を出すときは公序良俗を守ることと、著作権違反に注意することが大切です。それぞれの項目を詳しく解説します。

公序良俗を守る

1つ目の注意点は公序良俗を守ることです。自由に同人誌を作っていいからといって、どんな内容でも許されるわけではありません。特に、センシティブな描写や攻撃的な内容の扱いには注意しましょう。

著作権違反に注意する

2つ目の注意点は著作権違反に注意することです。同人誌のなかには、人気のオリジナル作品を使った二次創作を作りたい方もいるでしょう。このような活動は基本的には黙認されていますが、作品によっては著者が二次創作をよく思っていないケースもあります。

著作権法違反にならないよう、二次創作の同人誌を作るときには、権利者の意思表明や二次創作へのガイドラインをあらかじめ確認してみてください。

まとめ

同人誌の市場は一時的に落ち込んでいましたが、今後は伸び続けていくことが予想されます。電子コミック市場やコミケの開催状況を見ると、大きく落ち込むことは考えにくいでしょう。

しまうま出版では、1冊からの同人誌の制作をお手伝いする印刷サービスを展開しています。はじめての同人誌づくりの際に、ぜひお役立てください。

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