切り絵とは?初心者でも簡単なやり方と歴史やメリットを解説

改めて注目されている「切り絵」について知ろう!
しまうま出版デザイナー

しまうま出版デザイナーより

しまうま出版のデザイナーが切り絵の歴史や意外な効果、作り方の簡単な解説をしています。普段とは少し違った表現手法の1つとして、参考にしてみてください。

切り絵とは?初心者でも簡単なやり方と歴史やメリットを解説
男性

美術館で美しい切り絵を見てから、切り絵に興味を持ちました。切り絵はどうやって作られるのですか?

しまうま出版デザイナー

切り絵は1枚の紙を切り抜いて絵を作成する伝統工芸で、実は自宅にある道具で作成できます。

男性

自分でも作成できるんですね。具体的な作り方を教えてほしいです!

しまうま出版デザイナー

それでは、簡単にできる作り方をご紹介します。切り絵に興味を持たれたということで、歴史や作るメリットなどもあわせてお伝えしますね。

切り絵とは

切り絵とはアート手法の一種で、1枚の紙を切り抜いて絵を作成する伝統工芸です。
その手法は様々で、1枚のモノクロの用紙を切り抜くもの、紙を切って台紙に貼るもの、立体的なものなど多岐にわたります。時代の流れに沿って、手法が多様化している点も魅力の一つです。

切り絵の歴史

切り絵の発祥地はインドといわれており、そこから世界各地を経由して、日本にも海を越えて伝わったとされています。各地で古来の文化に沿って進化を遂げ、それぞれ異なる特色が出ているのも特徴の一つです。

たとえば、中国では赤い紙を使った「剪紙(せんし)」という民間工芸があり、主にお祝い事で飾られます。日本の切り絵に近い位置付けですが、その歴史は長く、約1500年前には剪紙が存在していたようです。

日本では、切り絵は古くから神の儀式に使われたり、染物の型紙代わりにされていたりと、常に日本の文化と密接に関わる存在でした。
また、江戸時代には切り絵の一種とされる「紙切り」が流行し、伝統工芸として宴席の余興や寄席などで重宝されました。

切り絵はこのような過程を経て大衆に根付いていき、時代を越えて現在は様々な形で親しまれています。切り絵の歴史を振り返ると、アートの他にも色々な役割を担っていたことがわかります。

切り絵のメリット

伝統工芸として紹介した切り絵ですが、実は思いもよらないメリットがあることが分かってきており、知育の観点などからも注目されています。

集中力のトレーニングになる

切り絵は、集中力を身につけるためのトレーニングになります。ハサミやカッターを用いて作成するため、自分のイメージどおりに作品を完成させるには、試行錯誤しながら上手に道具を使いこなす必要があるからです。

集中して取り組んだ分だけ作品が目に見える形で理想形に近づいていくので、作品の完成度合いが集中力の指標にもなります。
切り絵の作成を通して、集中力を発揮するためのコツを学ぶこともできます。

想像力が鍛えられる

アートの一つである切り絵は、闇雲に取り組むのではなく、あらかじめ完成形をイメージしてから行う方が多いでしょう。自らが描いた完成形に近づけるためにはどうすればいいのか、考えを巡らせながら進めることで想像力が鍛えられます。

完成品がイメージと異なったとしても、その経験をもとに、次はどのように進めるべきかシミュレーションしてから再チャレンジできます。この過程を繰り返すことで、想像力がどんどん鍛えられます。こうしたことから、知育の観点からも注目されています。

切り絵を作る4つの手順

日頃からあまり馴染みがないと、切り絵の作成はハードルが高く感じるかもしれません。しかし、基本を押さえれば初心者でも楽しく作成できます。
それでは、切り絵を作るうえでの手順を4つのステップに分けて解説していきます。

1:必要な道具をそろえる

まずは切り絵を作成するにあたり、必要な道具を調達しましょう。
基本的な道具は以下の7点です。100円ショップなどで手に入るものばかりなので、気軽に始められます。こだわりたい方は、切り絵専用の道具でそろえるとより楽しめます。

①ハサミ
自分が使いやすいハサミを用意しましょう。カッターナイフよりもケガのリスクが低く、子どもでも扱いやすいので、まずはハサミで試してみることをおすすめします。
なお、アート用のハサミもあるので、より繊細なカットを求める場合は購入を検討しましょう。

②カッターナイフ
ペンを扱う時と同じ感覚で使用できるような、細身のカッターナイフを用意しましょう。カッターはハサミよりも扱いが難しいので、はじめからアート用のカッターナイフをそろえるのも一つの手です。

③台紙
切り抜いた図案を貼るために欠かせないのが台紙です。白紙であれば問題ありませんが、のりで貼る際に厚紙のほうが安定するので、なるべく厚紙を用意するといいでしょう。

④色画用紙
切り絵に色を付けるために用意します。最初は汎用性の高い黒色から始める方が多いですが、好きな色を準備すれば大丈夫です。こちらも100円ショップで手に入ります。

⑤のり
できれば乾くのにある程度時間がかかり、乾いた後に剝がれにくいのりを用意しましょう。乾くのに時間がかかると、やり直しがきくので初心者でも安心です。

⑥カッティングマット
カッターを安定して使用するための必須アイテムです。100円ショップで売られているもので構いませんが、作成予定の作品よりも大きいマットを使用しましょう。

⑦図案
図案とは、簡単にいえば下絵のことです。白紙に絵を描いて準備するか、フリー素材のイラストを用意しましょう。図案はコピー用紙などの薄紙で問題ありません。

2:図案を用紙に貼る

必要な道具をそろえたら、いよいよ作業開始です。

用意した図案を色画用紙にホチキス留めして、カットの準備をしましょう。この時、カットの影響がない箇所を複数留めておけば、紙がズレる心配がありません。

3:図案をカットする

カッティングマットを用意して、マットの上からカットしていきます。図案に対し、垂直に刃先を立て、丁寧に切り抜くことを心がけながら慎重に作業しましょう。

なお、カットする際は内側や細かな模様から始めて、最後に外側を切り取るのがコツです。
細かな模様の切り抜きは、適度に紙を回しながら作業すると失敗しにくいです。

4:切り抜いた図案を台紙に貼る

無事に図案を切り抜けたら、いよいよ最終段階です。

図案にのり付けを行い、慎重に台紙に貼り付けます。台紙は上述のとおり、厚紙を用意することをおすすめします。

作品に色付けを行う場合は、図案と一緒に切り抜いた色画用紙を図案の枠に収まるように注意しながらのり付けしてください。色付けができると、作品がより華やかになります。

まとめ

古くから日本に伝わっている切り絵は、道具さえ用意すれば誰でも手軽に楽しむことができます。その道具も安価で手に入るものばかりなので、挑戦するハードルが高くない点も魅力です。

そこまで難しい図案でなければ、短い時間で作成できるでしょう。まずは簡単な図案を用意して、気軽に始めてみてください。

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