フルカラー印刷とは?他の印刷方法との違い、向いている制作物を解説

フルカラー印刷には不向きなものも…印刷の特徴を知って上手に使おう!
しまうま出版デザイナー

しまうま出版デザイナーより

しまうま出版のデザイナーが「フルカラー印刷とは?他の印刷方法との違いは?」とお考えの方に向けて、フルカラー印刷の特徴や他の印刷方法との違い、向いている制作物などをご紹介します。印刷物によって適した方法は違うので、それぞれの特徴を知ってから適切な方法をご判断ください。

フルカラー印刷とは?他の印刷方法との違い、向いている制作物を解説
男性

フルカラー印刷とは何でしょうか?

しまうま出版デザイナー

通常、フルカラー印刷とはCMYKと呼ばれる4色のインクを使った印刷手法です。

男性

他の印刷方法とは何が違うのですか?

しまうま出版デザイナー

インクの数が違うので、そもそもの色数や鮮やかさが変わってきます。対比としてモノクロやグレースケールとの違いもご説明しますね。

フルカラー印刷とは

フルカラー印刷とは、C(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)、K(ブラック)の4色のインクを使う印刷手法のことです。
この4色を組み合わせることで、フルカラーの名の通り様々な色を表現するのですが、インク数が多いので色表現の精細さや鮮やかさを表現しやすくなり、写真やイラストといった制作物の印刷に向いています。後ほど詳しく解説しますが、K(ブラック)のみを使ったモノクロ印刷や2色のインクを使った2色印刷などもあります。

フルカラー印刷の特徴

フルカラー印刷の特徴は主に3つあります。それぞれの特徴について見ていきましょう。 

写真やイラストに向いている

フルカラー印刷はカラフルな写真やイラストを表現するのに適しています。特に作品のプリントを業者に依頼する場合、印刷機の特性による部分が大きいですが、高品質な出力を叶えられる業務用のプリンターであれば、家庭用のプリンターでは実現できない細かなグラデーションや繊細なタッチも表現できます。色が多い制作物をきれいにまとめてプリントしたいときに特におすすめです。

精細かつ鮮やかに表現できる

フルカラー印刷は、先述したような写真やイラストを精細かつ鮮やかに表現できるのが特徴です。4色のインクを、適切な分量を組み合わせながら印刷するので、細かな色の違いや濃淡をはっきりと出すことができます。フルカラーのプリンターの中には、通常のフルカラー印刷では表現しにくいカラーを表現するためにCMYKの4色に加えて数色をプラスして出力する機種もあり、最近では家庭用でも上位機種ではそういった仕様を目にすることができます。自宅で利用するプリンターも用途によってはこうしたものを選ぶのも一手です。

同系色でも色彩の違いを表現できる

同系色の多く含まれた表現でも、フルカラー印刷なら色彩の違いをリアルに表現しやすいです。たとえば海の風景画では、作風にもよりますが白や青などの色を使うことが多くなるかと思います。そのような場面における水面の輝きや、決して均一ではない奥深さを持った海や空の微妙な色のニュアンスの違いや変化もフルカラーであれば豊かに表現することができます。

フルカラー印刷と他の印刷方法の違い

フルカラー印刷の他には、モノクロ印刷やグレースケール印刷、特色印刷、2色印刷などがあります。それぞれの方法について確認していきましょう。

モノクロ印刷

モノクロ印刷は、K(ブラック)のインクのみを使って印刷する方法です。白か黒かがはっきりした文字だけの文書や簡易的なイラストが入ったものは、モノクロで印刷することが多いです。後述するグレースケール印刷との混同を避けるため、モノクロ二階調などと呼ばれることもあります。特にイラストや写真のないビジネス文書を大量に印刷するときによく使われます。

グレースケール印刷

白から黒までを、256階調の滑らかなグラデーションで表現できるのがグレースケール印刷です。完全な黒だけではなく濃いグレーや薄いグレーも含んだ表現になるので、柔らかい雰囲気を出しやすくなります。しまうま出版では、漫画の印刷にグレースケール印刷を採用しています。

特色印刷

金やパール、蛍光色などは一般的なフルカラーでは表現できません。そのようなケースでは特定のメーカーが展開する「特色」と呼ばれる専用のインクを使います。特殊な色合いを含む印刷物は、特色を使うことで色合いを表現することができます。

2色印刷

2色印刷は、2色のインクを使って印刷する方法です。インクの種類を減らして安く仕上げるために使われることが多く、K(ブラック)とC(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)のいずれか1色を合わせて使うことが一般的です。費用を抑えること以外にも、大胆な配色に転換してイラストを魅力的に見せるなど、アイデア次第では安い印象を克服できることもあります。

フルカラー印刷が向いている制作物

フルカラー印刷が向いている制作物は、色がたくさん含まれるものや、ぼかしの陰影があるもの、写真やイラストが入るものなどです。ひとつずつ見てみましょう。

色がたくさん含まれている制作物

色がたくさん含まれている制作物は、フルカラー印刷に向いています。さまざまな色を鮮やかに表現可能で、細かな違いもわかりやすくなるからです。色が数色しかないのなら、2色印刷でも十分表現できる場合もあるでしょう。

ぼかしの陰影が入っている制作物

ぼかしの陰影が入っている制作物も、色彩豊かな表現を得意とするフルカラー印刷が適しています。強調したい文字に影をつけるなど、ぼかしを与えるとメリハリがつき、見せたい箇所が目立ちやすくなるでしょう。

フルカラーの写真やイラストがある制作物

写真やイラストがある制作物にもフルカラー印刷がおすすめです。滑らかなグラデーションなどを表現できるため、写真やイラストの陰影や立体感を表現するのに役立ちます。ディティールまでこだわったイラストや、被写体の情報量が多い写真は、フルカラー印刷を選ぶとより魅力が伝わりやすくなるでしょう。

フルカラー印刷が向かない制作物

フルカラー印刷が向かないのは、特定の色を含む制作物や単色の制作物、線をくっきり写したい制作物です。

特定の色を含む制作物

パールやメタリック、蛍光色、パステルカラーなど、先述した特色で対応するようなフルカラーで表現できない制作物は他の方法を使ったほうがいいでしょう。本番の印刷に入る前に、フルカラーでは対応できないような色がないか確認するのをおすすめします。

単色の制作物

単色で成り立つ制作物は、フルカラーでなくても問題ない場合もあります。例えば、単色で構成されたイラストなどであれば色を混ぜて表現するよりも、表現したい色のインクを単色で使用したほうが色ムラなどもなく、イメージに合った表現が可能になります。無彩色の表現であれば、グレースケールやモノクロを選択するなど、使う色に合わせて適切な印刷方法を選んでみてください。

細い線や文字をくっきり写したい制作物

細い線や文字をくっきり写したいときにも、フルカラー印刷は向きません。漫画などが基本的にはモノクロで表現されるのもこのためです。どちらかというとグラデーションやぼかしを表現するのに向いているので、線を強調したいものは他の印刷方法を検討しましょう。

まとめ

フルカラー印刷は、4つのインクを使って色のグラデーションや繊細なタッチを表現できる印刷方法です。制作物によってはグレースケール印刷や特色印刷といった他の方法が適切なケースもあります。それぞれの特徴を押さえたうえで、ご自身に合った印刷方法を選びましょう。
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