小説同人誌の作り方|初心者向けに簡単5ステップで解説

小説同人誌の作り方を初心者向けに一から解説します!
しまうま出版デザイナー

しまうま出版デザイナーより

「自分の小説を一冊の本にしてみたい」「小説同人誌ってどうやって作るの?」とお悩みの方へ向けて、小説同人誌の作り方を5ステップで解説します。本記事を読めば、原稿の作成方法やサイズやページ数の決め方・表紙デザインの作り方まで、初心者の方向けに解説します!

小説同人誌の作り方|初心者向けに簡単5ステップで解説
男性

こんにちは。最近趣味で物語を書いていて、ストーリーが形になってきたので小説同人誌にしてみたいのですが、作り方が分からず…。自分でもできるでしょうか?

しまうま出版デザイナー

はい!しまうま出版を使えば、一冊から簡単に作成することができますよ。作り方をご紹介しますね。

小説同人誌(同人小説本)とは何?

小説同人誌とは、個人または小グループが執筆・印刷して頒布する小説の本のことです。内容は一次創作と二次創作に分かれ、即売会や通販などで販売・配布されることもあります。趣味で始める人、同人活動の第一歩として試す人、将来的に商業デビューを目指す人など、目的に応じた作り方が可能です。

二次創作・一次創作の違い

  • 一次創作:自分のオリジナルキャラクターや世界観で物語を描く作品。
  • 二次創作:既存作品の登場人物や世界観を借りて描く作品。二次創作の場合は、著作権やガイドラインを必ず確認しましょう。

小説同人誌を作るときに必要なもの|パソコン・スマホ

小説同人誌を作るために特別な機材は必要ありません。基本的にはパソコン1台があれば十分です。

原稿の執筆にはWordなどの文章作成ソフトを使うのがおすすめ。ページ設定や文字数の確認がしやすく、印刷データの作成にも向いています。


もし表紙や挿絵を自分で作成したい場合は、CLIP STUDIO PAINTやAdobe Illustrator、Canvaといったソフト・Webツールを使うと便利です。


また、最近はスマホやタブレットで作る人も増えています。

しまうま出版では、スマホからでもPDF入稿が可能なので、パソコンがなくても小説同人誌の制作が可能です。ただし、長文の執筆や細かなデザイン調整を行う場合は、パソコンの方が作業しやすいでしょう。

小説同人誌を作る前に決めておきたい3つのこと

小説同人誌を作ることに慣れていない方は、以下のことを考えてから原稿を書き始めてみましょう!

①小説同人誌の方向性

まず「どんな物語を、誰に読んでもらいたいか」「自分は何を書きたいのか」を明確にします。

テーマや登場人物、小説を通して伝えたいことなどを紙に書き出して考えてみましょう。物語の流れ(プロット)を簡単に書き出しておくと、原稿がスムーズに進みます。

② 文字数|短編小説 or 長編小説

大まかな文字数を決めることで、ページ数や本のサイズ・費用の目安が立てやすくなります。

短編か、長編か位は執筆前に決めておきましょう。大まかな区分は以下のとおりで、短編より短いものを「ショートショート」と呼ぶこともあります。

種類 文字数の目安 原稿用紙換算
短編小説 約4,000〜40,000字 10〜100枚程度
長編小説 約100,000字以上 約300枚前後

ページ数は物語の内容に応じて決めるべきですが、一般的な同人誌は100~300ページ程度が多いとされています。

もちろん初めて小説同人誌を作るという方はもっと少ないページ数から始めるのもいいと思います。しまうま出版では24ページから4ページ単位で作成することができますので参考にしてください。


文字数が決まれば1ページに入る文字数はA6サイズは約500文字、A5サイズは約800文字程度※ですので、もし50,000字だとしたらA6:約100ページ前後、A5:約65ページ前後と予測を立てることができます。


※しまうま出版で提供しているテンプレートを利用した場合

③ サイズと綴じ方向

A5サイズとA6サイズ
A5サイズとA6サイズ

サイズをどうするかは読みやすさ・コスト・作品の印象で決めます。

A5は文字数が多く入るためページ数を抑えることができます。文字を大きめにしても読みやすいため長編向きです。

A6は文庫本サイズのため、手のひらサイズで持ち運びやすく短編向き。長編の場合もA6サイズで作りたい場合は、上下巻の2冊に分ける方法もあります。

また、縦書きの小説は基本的に右綴じ(本の右側が綴じられている)を選びます。

小説同人誌の作り方5ステップ

冊子印刷サービス「しまうま出版」での小説同人誌 制作手順をもとに、初心者にもわかりやすく5ステップで解説します。ここからは、それぞれのステップについて詳しく見ていきましょう。


  1. 原稿作成準備をする
  2. 原稿を執筆する
  3. 本文の校正・PDFデータ化をする
  4. 表紙を作る
  5. 仕様を選択し、入稿する


ステップ1:原稿作成準備をする|テンプレートの活用

しまうま出版のwordテンプレート
しまうま出版のwordテンプレート

まずは本文(本身)を執筆するための準備を整えましょう。

Wordで原稿を書く場合は、しまうま出版の無料テンプレートを利用するのがおすすめです。

余白や塗り足し、文字サイズなどの設定が済んでいるので小説を製本するのが初心者の方にもおすすめで、体裁が崩れにくく安心です。

ご自身の好みに合わせて文字サイズなどを調整して使用していただくことも可能です。


使用する場合は以下の「小説用 本身テンプレート」からダウンロードしてください。

https://publish.n-pri.jp/template/


★テンプレートを使用しない場合

もちろん、Wordをお持ちでない方や、別のソフトで執筆する場合もOKです。

その際は、仕上がりサイズ(A6・A5など)に合わせたページ設定を自分で行いましょう。図版などが含まれる場合は、上下左右3mmの塗り足しを付けて原稿を作成してください。

サイズ 塗り足しなし 塗り足しあり
A6 105mm×148mm 111mm×154mm
A5 148mm×210mm 154mm×216mm

その他設定の目安ですが、余白は上下左右15〜22mm、文字サイズはA5・A6サイズなら8~10pt程度が読みやすく、フォントは困ったら明朝体にしてみましょう。縦書きに適しており、おすすめです。

ステップ2:原稿を執筆する

準備が整ったら、いよいよ本文を書いていきましょう。最初から完璧を目指す必要はなく、まずは思いつくままに書き出してみることが大切です。原稿を書き進めるコツは以下の3点です。


①章やシーンごとに区切って書く

長い小説を書く場合は、1章ごと・1話ごとにファイルを分けておくと管理がしやすくなります。後で順番を入れ替えたり、修正したりするのも簡単です。

②章の始まりは章扉を入れると読みやすい

「第1章 はじまり」など、章タイトルページを作ると本らしい仕上がりになります。

③ページ数は4の倍数を意識する

印刷冊子は4ページ単位で構成されるため、原稿ができたら最終的にページ数が4の倍数になっているか確認しましょう。


★Web掲載していた作品を使う場合

また、すでにWeb小説サイトに投稿していた原稿を同人誌化する場合は、段落の最初を1字下げしたり、数字を漢数字にすると本にしたときに読みやすくなります。

必ず印刷イメージ(PDF)で読み返し、読みづらい部分がないかチェックしておきましょう。

ステップ3:本文の校正・PDFデータ化をする

本文が完成したら、入稿前に必ず誤字脱字がないかを見直しましょう。

縦書きに変換したときの見え方、ルビの入り方、カギカッコの改行位置、ノンブル(ページ番号)が正常かなどもチェックポイントです。


PDFに書き出す際は必ずフォントの埋め込みまたはアウトライン化してください。環境差でフォントが置き換わらないようにします。Wordで作成した方は通常PDFに書き出した時点でフォントの埋め込みができているので心配ありません。


また、挿絵を入れたい場合は、本文原稿と挿絵を同じPDFファイルにまとめて入稿してください。

たとえば「第3章の途中に挿絵を入れたい」ときは、Wordや作成ソフト上でそのページに挿絵を配置してから、全体をPDFとして書き出します。

ステップ4:表紙を作る

表紙は読者が最初に目にする“顔”であり、作品の世界観を伝える大切な要素です。

自分の目的・スキル・予算に合わせて選べる4つの方法を難易度の低い順に、事例を踏まえてご紹介します。

①しまうま出版の「かんたん表紙作成」を使う

「デザインに自信がない」「とにかく簡単に作りたい」という方には、しまうま出版がご用意しているかんたん表紙作成という機能の利用がおすすめです。

好きなテンプレートを選び、タイトル・著者名を入力し、お好きなフォントを選ぶだけで完成。ページ数に合わせて自動的に背幅も調整されるためデザイン知識がなくても整った印象に仕上がります。


こちらを使用する場合は、しまうま出版で本身アップロード後の編集画面で作成することができます。

※巻きカバーのデザインはございません。

「かんたん表紙作成」で作成
「かんたん表紙作成」で作成

②同人誌表紙メーカーを使う

「より多くのデザインから選びたい」という人は、同人誌表紙メーカーを利用する方法があります。

ソフトなどを使わなくてもサイトからの簡単操作で小説同人誌の表紙を作成できます。


同人誌表紙メーカーを使用して表紙を作成する場合は背幅を入力する必要がありますので、表紙と巻きカバーの背幅についてを参照してください。書き出し方法はPNG形式です。

「同人誌表紙メーカー」で作成
「同人誌表紙メーカー」で作成

③デザイナーに依頼する

「作品の雰囲気を完璧に表現したい」「挿絵と統一感を持たせたい」場合は、デザイナーさんに依頼するのが最も確実です。SNS(X、Instagramなど)やココナラなどのスキルマーケットで、「同人誌 表紙デザイン」「装丁デザイン」などで検索すれば、得意ジャンルや実績を確認できます。


料金の相場は3,000〜10,000円程度。依頼時は、作品のテーマ・登場人物のイメージ・希望する色味やフォントの雰囲気を伝えるとスムーズです。


④自分でデザインする

デザインに慣れている方や、作品の世界観を自分の手で表現したい方には、自作デザインが最も自由度の高い方法です。Photoshop、Illustrator、CLIP STUDIO PAINTに関しては表紙・巻きカバー共にテンプレートもご用意してます。

また、テンプレートを提供していないソフトウェアで作成される場合は、表紙と巻きカバーの背幅についてを参照いただき、作成してください。

 表紙デザインの作り方や、表紙に入れる要素が分からない方は以下の記事を参考にしてくださいね。

「figma」で作成
「figma」で作成

ステップ5:冊子印刷サービスで入稿する

冊子印刷サービス(しまうま出版)に入稿して印刷を依頼します。入稿は、仕様の選択・本身PDFをアップロード・表紙作成・プレビュー確認の簡単4ステップです。


まず、サイズ・綴じ方向・巻きカバーの有無を選んだら、本身のPDFをアップロードします。アップロードには少々時間がかかるので、その間に表紙を作成しましょう。表紙テンプレートを使って作成する場合は「かんたん表紙作成」、自身で作成したデザインを使う場合は「画像入稿」を選択します。


アップロードが完了したら、表紙と本身に問題がないかプレビューを確認しましょう。次に、表紙の加工の選択があります。しまうま出版では、ツヤのあるクリアPP加工とマットな質感のマットPP加工をご用意。PP加工をつけると印刷欠け・キズ等の防止にもなります。

配送方法や部数を選択し、必要事項を入力したら注文完了。あとは本が届くのを待つだけ!


小説同人誌を作成する際の注意点

(例)奥付の付け方
(例)奥付の付け方

小説同人誌を作るときは、印刷データの形式だけでなく、本としての体裁や作品内容の完成度にも気を配りましょう。以下のポイントを押さえておくと、印刷時のトラブルや後悔を防ぎ、完成度の高い小説同人誌に仕上げることができます。

①奥付を忘れずに入れる

小説同人誌の最後のページは「奥付」と呼ばれる部分になります。頒布・販売する可能性がある同人誌には必ず入れましょう。また、しまうま出版では奥付ページの右下に自動でバーコードが入ります。奥付に記載する内容はこちらをご参照ください。

②作品の整合性をチェックする

登場人物の名前や性格、ストーリーの時間軸など、細部の一貫性は意外と読者に見抜かれます。書き上げたあとに通読して、設定ミスや誤字脱字をチェックする時間を必ず取りましょう。

③引用や二次創作の扱いに注意

アニメや漫画などの二次創作は、作品ごとにルールが異なります。

「SNS投稿はOKでも、同人誌販売はNG」というケースもあるため注意が必要です。小説同人誌を制作する前に、公式のガイドラインや利用規約を必ず確認しましょう。

基本的には、原作のイメージを損なうような内容や、過激な表現は避けるのが安心です。ファン活動として楽しく続けるためにも、ルールを守って創作を楽しみましょう。

小説同人誌の作成費用目安

しまうま出版の料金表
しまうま出版の料金表

小説同人誌の制作で主にかかるのは、印刷・製本代表紙デザイン代です。まず、製本代は印刷所・ページ数・サイズ・部数によって大きく変わります。


例えば「しまうま出版」で〈A6サイズ・100ページ程度・1冊注文〉の場合、印刷・製本代は700円で、送料はメール便の場合130円です。1冊から安く高品質な同人小説を作れるので、試しに1冊作りたい方にもおすすめです。


他の仕様での金額も以下からシミュレーションできますので気になる方は見てみてくださいね◎

https://publish.n-pri.jp/price/


表紙デザイン代は、先述の通り自作すれば無料、デザイナーに依頼する場合は3,000〜10,000円ほどが一般的です。

まずは自作から始めて、こだわりたい作品ではデザイナーにお願いするなど、予算や目的に合わせて調整してみましょう。

小説同人誌が完成したあとの楽しみ方

しまうまマルシェのイメージ
しまうまマルシェのイメージ

完成した小説同人誌は印刷するだけでなく、いろいろな形で楽しむことができます。

イベントや即売会で頒布する

コミケやコミティア、文学フリマなど、小説中心のイベントも多数開催されています。読者と直接会話できる機会は、創作のモチベーションにもつながります。詳しくは以下の記事をご覧ください。

通販サイトで販売する

オンライン販売なら、在庫リスクを抑えて全国の読者に届けられます。しまうま出版でも、冊子データを用意するだけで気軽に冊子を販売できるサイトしまうまマルシェをご用意しています。簡単に小説同人誌の販売をすることができますので、興味がある方はぜひ覗いてみてくださいね◎

自分用・仲間内での記念に残す

自分用や仲間内での記念として残す小説同人誌は、販売を目的とせず「思い出」や「作品の記録」として作るケースです。完成した本を手に取ることで、創作の達成感や当時の気持ちを形に残せるのが魅力です。

まとめ|自分の小説を「一冊の本」にしてみよう

小説同人誌は、特別なスキルがなくても、自分のペースで一冊から作ることができます。
Wordなどで原稿を書き、表紙を用意して印刷サービスに入稿するだけで、自分の物語が“本”という形に生まれ変わります。創作の集大成として、ぜひあなたの小説を一冊にしてみてください。

紙の本だからこそ味わえる「作品を手に取る喜び」を、ぜひしまうま出版で体験してみましょう。

記事の中で紹介している商品仕様や価格は記事公開時点のものです。

この記事を書いた人

しまうま出版デザイナー

しまうま出版デザイナー

記事公開日:2025年10月30日

記事更新日:2025年10月30日