同人誌のページ数|何ページが平均?目安やページ構成の例を紹介
しまうま出版デザイナーより
初めて本を制作する方にとって、ページ数の設定は悩むポイント。「同人誌を作ってみたいけれど、何ページがいいの?」と迷う方に向けて、基本ルールやジャンル別の目安、印刷費との関係などをわかりやすく解説します。

同人誌のジャンルによって、目安となるページ数は変わってきます。今回は、ページ数を決める際に役立つ情報をご紹介します!
基礎知識|本のページ数の数え方

まず、本のページ数の数え方には基本的なルールがあります。ページ数は通常、本身の本文が始まるページからカウントされます。具体的には、表紙や裏表紙、またその裏側のページ(表2、表3)や口絵/遊び紙はページ数にカウントしないのが一般的です。
また、扉ページや目次、奥付はページ数に含まれますが、これらはローマ数字で表記され、本文とは別にノンブルが付けられる場合もあります。
内容 | |
---|---|
ページ数に含まれる | 本文・あとがき・奥付・目次・扉ページ・白色ページ など |
ページ数に含まれない | 表紙・裏表紙・その裏(表2・表3)・遊び紙・カバー・帯など |
☆ノンブルとは
ページ端に印字されている数字のことで、ページ数をカウントするためのものです。本の最初に目次を作りたい人は、ページ案内としてノンブルは必須になります。ノンブルについてさらに詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
同人誌のページ数は「4の倍数」に設定しよう

同人誌のページ数を「4の倍数」に設定することは、製本の基本です。これは、1枚の紙に4ページ分を印刷し、折りたたんで冊子を構成する中綴じ・無線綴じ製本の仕様によるものです。1枚の用紙には2ページずつ表裏に印刷され、その用紙を重ね合わせて製本されます。
ページ数が4の倍数でない場合、印刷所によっては白紙ページを追加して調整されたり、製本前に確認が入り、入稿をし直さなければならない場合もあります。同人誌イベントでの頒布を考えている場合、ページ数の不備で制作が遅れることは避けたいものです。
そのため、計画段階から4の倍数を意識してページ数を決めましょう。
ジャンル別|同人誌のページ数の平均・目安まとめ
ここでは、漫画同人誌、小説同人誌、イラスト集・写真集、評論・エッセイ系の4つのジャンルに分けて、一般的におすすめされる同人誌のページ数を紹介します。
漫画同人誌:32〜64ページ
まず、漫画同人誌の場合、物語の展開やキャラクターの描写に時間をかける必要があるため、32ページから64ページが一般的です。短編であれば32ページ以下でも十分ですが、ストーリー性を重視する場合は48ページ以上を目指すと良いでしょう。
小説同人誌:64〜128ページ
小説同人誌では、文章量が多いため、64ページから128ページが推奨されます。短編小説であれば64ページ程度でまとまりますが、長編や複数の短編を収録する場合は100ページ以上も珍しくありません。
原稿の行間・文字サイズ・余白設定によって実際のページ数は大きく変わりますので、作品のテーマや読者層に合ったレイアウトを意識しましょう。例えば、文字の密度を高めに設定するとページ数を抑えつつも内容を充実させることができますが、あまり詰め込みすぎると読みにくくなるため、バランスが重要です。
イラスト集・写真集:20〜40ページ
イラスト集や写真集の場合は、20ページから40ページが一般的です。ビジュアルがメインとなるため、1ページあたりの情報量を考慮し、見やすさを重視した構成にすることが求められます。
特に、見開きでの表現を活用することで、作品の魅力を最大限に引き出すことができます。ページ数が少なくても、個々のページのクオリティが高い場合、十分に価値のある作品となるでしょう。
評論・エッセイ系:48〜96ページ
エッセイや評論系の同人誌は、内容の深さや情報量に応じて48ページから96ページが理想的です。深い考察やデータを含む場合は、ページ数を増やしても良いですが、読みやすさを考慮して適度なボリュームに抑えることが重要です。
これらの目安はあくまで一般的な基準ですが、同人誌の内容やターゲットとする読者層に合わせて、ページ数をカスタマイズすることが重要です。同人誌のテーマやスタイルに最適なページ数を見つけることで、より魅力的かつ効果的な同人誌を作り上げることができるでしょう。
ページ数と印刷費用・値段付けの関係

同人誌の印刷費用は用紙代や印刷時間の関係で、ページ数が多いほど高くなる傾向があります。
(例)しまうま出版の場合:A5サイズ・フルカラー印刷
ページ数 | 価格(税込) |
---|---|
12ページ | 420円 |
24ページ | 540円 |
特にフルカラー印刷の場合は、1ページごとのインク量や印刷工程が増えるため、費用への影響が大きくなります。そのため、予算から逆算してページ数を決めるのもおすすめです。
ページ数は販売価格にも直結する
印刷費用が増えるということは、その分、原価も上がるということ。つまり、ページ数が多い同人誌は、販売価格も高めに設定せざるを得ないケースが多くなります。ただし、価格を上げるには「その価格に見合う内容」が求められます。読者層やジャンルの相場を意識して、無理のない価格設定を行いましょう。
1冊から低価格で同人誌印刷をしたい方におすすめのサービス
同人誌制作の予算に不安がある方にも、しまうま出版なら1冊270円〜から印刷可能。フルカラーでも330円〜とリーズナブルな価格で、高品質な冊子を作成できます。ページ数も最小12ページから最大144ページまで、4ページ間隔で製本が可能。スマホやPCから画像を入れるだけで入稿でき、ページの移動・増減も簡単に操作することができます。印刷費とページ数のバランスに悩む方にも、安心して使えるオンデマンド印刷サービスです。
ぜひこちらからご覧ください。
同人誌のページ数を調整する方法
同人誌の制作において、ページ数が「4の倍数」にならない場合や、ジャンルごとの推奨ページ数から大きく外れてしまうことは珍しくありません。そのような場合に活用できる方法をご紹介します。
1.内容に優先順位をつける
まずは、掲載したい内容をリストアップし、それに優先順位をつけることで、必須のコンテンツと省略可能なコンテンツを明確にします。これにより、削除可能なページを見極めることができ、ページ数の削減が可能です。
2.文字数やフォントサイズの調整
特に小説やエッセイで有効な方法として、文字数やフォントサイズを微調整することで、1ページに収まる情報量を調整できます。ただし、読みやすさを損なわない範囲で行うことが大切です。
3. 追加コンテンツを作る
ページ数が不足している場合、追加のコンテンツを挿入することも一つの手です。たとえば、キャラクターの紹介ページや制作秘話などのボーナスコンテンツを追加することで、読者にとっても価値のある一冊にできます。
4.分冊や続編を検討する
どうしてもページ数が多くなってしまう場合は、本を複数冊に分けることも検討しましょう。続編として発表することで、読者の興味を持続させることができます。
同人誌のページ構成例

同人誌を作る際、ページ構成は作品の印象や読みやすさを左右する重要なポイントです。ここでは、本文32ページ(表紙を除く)の場合を例に、一般的な構成パターンをご紹介します。
導入・目次など(1〜3ページ)
1ページ目には扉絵やタイトル、あいさつなど。2〜3ページ目には目次や登場人物紹介、プロローグなどを配置することが多いです。読者が作品世界に入りやすくなるよう、雰囲気づくりや導入部分にこだわると印象がアップします。
本編(4〜27ページ)
4ページ目から本編がスタート。漫画や小説、イラストなどのメインコンテンツを展開しましょう。20〜24ページほどが本編にあてられることが多く、起承転結を意識して構成すると読みごたえのある作品になります。
後書き・お知らせ(28〜31ページ)
本編を描き終えた28〜30ページでは、あとがき、制作裏話を書くと、読者に親近感を持ってもらいやすくなります。31ページ目はお知らせ・次回作の予告・SNSや通販の案内など、読者とつながる情報をここで入れておくと、ファンの定着にもつながります。
奥付(最後のページ:32ページ目)
発行日、サークル名、作者名、連絡先(SNSなど)、印刷所の名前などを記載。奥付は同人誌における“名刺”的な役割を果たし、多くの印刷所では奥付の記載をお願いしています。奥付の書き方をさらに詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
※印刷所によっては、表紙を含めたページ数で案内している場合があります。たとえば「32ページ(表紙込み)」と表記されている場合、本文は28ページ分となります。入稿前に印刷所の仕様を必ず確認しましょう。
まとめ|同人誌のページ数はジャンル×目的で決めよう
同人誌のページ数は基本的には自由ですが、印刷の都合上、4の倍数で構成する必要があります。また、同人誌のジャンルによってページ数の目安は異なり、漫画であれば16〜32ページ、小説であれば28〜100ページが一般的な目安です。ページ数は印刷費用に直結するため、予算とのバランスを考慮して設計してみましょう。
同人誌を作ってみたいと考えているのですが、何ページが目安なのでしょうか?